「プロの実戦に学ぶ 三間飛車VS左美濃」ひとくちレビュー
「プロの実戦に学ぶ 三間飛車VS左美濃」のひとくちレビューをお送りします。著者は三間飛車を多用している振り飛車党・小倉久史七段。昨年(2019年)夏の「三間飛車戦記 2008~2019」以来の棋書リリースとなりました。
「プロの実戦に学ぶ 三間飛車VS左美濃」のひとくちレビューをお送りします。著者は三間飛車を多用している振り飛車党・小倉久史七段。昨年(2019年)夏の「三間飛車戦記 2008~2019」以来の棋書リリースとなりました。
「美濃囲い」。将棋ファンでこの囲いを知らない人は皆無でしょう。三間飛車をはじめとする振り飛車戦法と組み合わせて用いられる囲いで、玉を右辺に移動して▲3八銀~▲5八金左とすれば、最も基本的な「本美濃囲い」の完成です。
2020年2月7日に行われた第46期棋王戦予選、石川優太四段 対 西川和宏六段戦。石川優太四段は、2019年の第65回奨励会三段リーグ戦で2位に入り四段昇段を果たした、新進気鋭のプロ棋士です。対する西川和宏六段も、三間飛車を非常に多用している振り飛車党です。現在は、三間飛車党と言って間違いないでしょう。
2020年1月23日に行われた順位戦B級1組、▲斎藤慎太郎七段 対 △菅井竜也七段戦。菅井七段は、本対局前の時点で9勝1敗。残り2局のうち1勝すればA級昇級、連敗しても他の上位陣が少しでも崩れれば昇級、という非常にアドバンテージのある状態で本局を迎えました。
2019年11月22日に行われた第61期王位戦予選、▲藤井猛九段 対 △佐藤天彦九段(前名人)戦。先手番となった藤井九段は初手▲7八飛戦法を採用。その後角道オープンのまま駒組みを進めます。対する佐藤九段は角道を開けずに早々に左美濃へ。それを見た藤井九段は、逆に自身が美濃囲いではなく三間飛車穴熊を目指す趣向に出ました。
居飛車穴熊に対する比較的珍しい戦法を紹介します。この形は、将棋倶楽部24でSuper megutan六段がよく用いるものです。第1図は、居飛車側が▲9八香と上がって居飛車穴熊を見せたところ。後手陣は、早めに△5三銀型を決めています。
2009年4月現在、「将棋倶楽部24」で最強の三間飛車党(レーティングが3000点を越えています)であるstably氏と、24の最高レーティング保持者であるyomoni-氏の一戦より。第1図は後手のyomoni-氏が△1二香と香を上がり、居飛車穴熊の方針を明示したところです。
2019年11月6日に行われた第91期ヒューリック杯棋聖戦二次予選、▲杉本昌隆八段 対 △山崎隆之八段戦。杉本昌隆八段は藤井聡太七段の師匠としておなじみの振り飛車党。有名な「相振り革命」シリーズをはじめ相振り飛車の棋書を数多くリリースしており、今夏には「角交換相振り飛車 徹底ガイド」をリリースしています。
2019年10月31日に行われた順位戦B級1組、▲菅井竜也七段 対 △郷田真隆九段戦。先手番の菅井七段は、初手▲5六歩と突いて中飛車を明示。・・・と思いきや、後手・郷田九段の△3四歩を見て▲7八飛!?と飛車を振りました。
第61期王位戦予選、▲西川和宏六段 対 △藤井聡太七段戦。言わずと知れた藤井七段に対し、西川六段は三間飛車を多用する振り飛車党。順位戦はC級2組在籍であるものの、竜王戦では2組に在籍し、10月21日に行われた竜王戦で斎藤慎太郎七段戦に勝利していれば1組に昇級していた、という「ねじれ」状態にある棋士でもあります。