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軽いさばき重視の角道クローズ型石田流
「石田流▲7七角型」とは、▲7六飛と浮いたあとに角を8八から7七に移動して▲7七角型に構える、角道クローズ型の石田流三間飛車です(代表図)。
同じく角道クローズ型の「石田流本組み」が飛車・角・銀・桂の圧力で7筋から5筋にかけての力強いさばきを狙うのに対し、石田流▲7七角型では軽いさばきと機動力を重視しています。
すなわち、角は▲6五歩から角交換して軽くさばき、飛車・銀は左右の揺さぶりの筋を含む軽いフットワークを見せながらさばくのが狙いです。
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「石田流本組み」とは、角交換しない▲9七角・▲7七桂型石田流です。攻守に優れた美しい布陣です。早い段階で▲6六歩と突いて角交換が起こらないようにしてから、▲7六飛で8筋を受け、その後▲9七角、▲7七桂と上がります。
桂跳ねと端歩突きが不要なため、石田流本組みに比べ少ない手数で組み上げることができるので速攻に向いています。
その反面、左桂は初形の8九のままなので、7七に桂が飛ぶ石田流本組みに比べ左桂はさばきにくいと言えます。ただし、相手から△7七角成とさせれば手順に▲同桂と跳ねることができるので、それを狙っていくとよいでしょう。
21世紀に入り当たり前になった▲7七角型
石田流▲7七角型は、20世紀までは定跡外し的な戦術だったように思いますが、21世紀に入ってからはとりわけ居飛車左美濃に対してその優秀性が認知され(対石田流の左美濃自体が21世紀に入ってから多く指されるようになったという背景もあります)、一気に定跡化が進み、今では当たり前の形となりました。
対居飛車穴熊や対棒金で使われることもあります(参考1図、参考2図)。やはり早々に角交換するのが基本的な狙いです。
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VS棒金・定跡外しの▲7七角型石田流
「定跡外伝」 や 「島ノート 振り飛車編」(島朗九段 著) でしっかり紹介されたため、もはや完全に定跡が整備された感のある石田流VS棒金。第1図は島ノート141ページあたりとほぼ同一局面です。第1図以下、本の通りにお互い指すのが正着なのでしょうが、ここでは定跡を外す手順を紹介します。
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軽いフットワークとさばき
石田流▲7七角型の軽いフットワークを示す一例が、第1図以下の手順です。
第1図以下の指し手
▲4五銀 △2三銀
▲6五歩 △同 歩
▲7四歩 △同 歩
▲3六飛 (第2図)
▲4五銀〜▲3六飛と、玉頭の3四の地点を狙う指し回しです。
第2図以下、△7七角成▲同桂△8九角で銀取りをかけながら3四の地点も間接的に受ける手順が見えますが、▲6五桂!(第3図)が▲6六角の王手飛車を狙った好手。
桂をさばきながら先手を取り返すことができます(▲5三桂成〜▲6二角などの狙いもあります)。
石田流本組みの場合、飛車が横に移動すると7七の桂が浮いてしまい角で取られてしまうため、このような構想は成立しません。角が9七ではなく7七にいて、相手玉をにらむ位置にいるからこそ、威力があり有効な玉頭攻めになっています。
▲7七角型を進化させた宮本流
先手石田流▲7七角型VS後手左美濃における石田流▲7七角型の戦い方をより進化させたのが、▲3九玉型美濃囲いと組み合わせて戦う「宮本流」です。
2014年11月に行われた第73期順位戦C級2組にて、宮本広志五段が永瀬拓矢六段戦で初披露し勝利したことから、一躍注目を集めました。
宮本流について、詳しくは以下の記事を参照ください。
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石田流の基礎知識 宮本流とは
「宮本流」とは、先手石田流▲7七角型 対 後手左美濃の戦いにおいて、左美濃に対して序盤早々玉頭攻めを狙っていく戦術です。▲3六歩+▲3七桂型からではなく、▲1七桂から▲2五桂を狙うのが大きな特徴です。
▲7七角型を解説している棋書
石田流▲7七角型を解説している棋書は数多くありますが、個人的に評価が高いものをいくつか紹介します。
石田流破り 左美濃徹底ガイド
全編先手石田流VS後手左美濃を扱った棋書です。石田流▲7七角型だけでなく、石田流本組みの解説も載っています。
八代弥七段がプロの定跡を徹底的に解説した渾身の一冊です。
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菅井流やんちゃ振り飛車
2019年の4月から9月まで放送していたNHK将棋講座「菅井流やんちゃ振り飛車」。この講座の7月号と8月号のテーマが、それぞれ「石田流VS急戦」、「石田流VS持久戦」でした。
「石田流VS急戦」では石田流▲7七角型VS棒金が、「石田流VS持久戦」では石田流▲7七角型VS左美濃、石田流▲7七角型VS居飛車穴熊が解説されています。
解説の分量は少なく級位者向けですが、とりわけ棒金に対する石田流▲7七角型を解説している書籍は貴重(他に無いかもしれません)なので、読む価値はあると思います。
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NHK将棋講座「菅井流やんちゃ振り飛車」7月のテーマは石田流VS急戦
2019年4月から放送されているNHK将棋講座、「菅井流やんちゃ振り飛車」。4月、5月のテーマはそれぞれゴキゲン中飛車VS急戦、ゴキゲン中飛車VS持久戦、6月のテーマは相振り飛車でした。そして7月7日から始まる7月の放送のテーマは、石田流三間飛車VS急戦です。
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わかる!勝てる!!石田流
宮本広志五段自身が宮本流の戦術を解説しているのが、この「わかる!勝てる!!石田流」です。
宮本流だけでなく、石田流VS急戦、石田流VS中飛車左穴熊なども解説しています。
縦横無尽に暴れたい振り飛車党へ
石田流本組みよりも速く組み上げ戦いを起こすことができる、石田流▲7七角型。
軽いフットワークで縦横無尽に暴れ回ってさばきたい振り飛車党にオススメの戦術です。
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