目次
石田流三間飛車VS急戦
2019年4月から放送されているNHK将棋講座、「菅井流やんちゃ振り飛車」。
あわせて読みたい
NHK将棋講座 4月から「菅井流やんちゃ振り飛車」スタート
2019年3月で終了となる、深浦康市九段のNHK将棋講座「振り飛車なんてこわくない」。それに代わって、4月からは菅井竜也七段の「菅井流やんちゃ振り飛車」がスタートすることがわかりました。
4月、5月のテーマはそれぞれゴキゲン中飛車VS急戦、ゴキゲン中飛車VS持久戦、6月のテーマは相振り飛車でした。
あわせて読みたい
NHK将棋講座「菅井流やんちゃ振り飛車」6月のテーマは相振り飛車
2019年4月に始まったNHK将棋講座、「菅井流やんちゃ振り飛車」。4月、5月のテーマはそれぞれゴキゲン中飛車VS急戦、ゴキゲン中飛車VS持久戦でした。そして間もなく始まる6月の放送のテーマは、相振り飛車です。
そして7月7日から始まる7月の放送のテーマは、石田流三間飛車VS急戦です。NHK将棋講座テキストはすでに発売中です。
石田流三間飛車VS急戦として、大きく分けて升田式石田流(第1図)とVS棒金(第2図)の2つの戦型を解説しています。
升田式石田流を序盤からていねいに解説
7月の4回の放送のうち、前半2回は4手目△8四歩からの升田式石田流の解説です。
1回目の放送では、居飛車が8筋から速攻をかけてきた場合を主に取り上げています。居飛車からの8筋速攻として主に2つのパターン(第3図、第4図)がありますが、それぞれの対応策についてていねいに解説しています。
2回目の放送では、升田式石田流の布陣に組み上がった局面(第5図)からの石田流の仕掛け方について解説しています。▲7七銀型での定番の仕掛け、と書けばピンとくる方が多いかもしれません。
あわせて読みたい
石田流の基礎知識 升田式石田流とは
「升田式石田流」は、その名の通り升田幸三実力制第4代名人が編み出した石田流の布陣です。升田式石田流の駒組みの特徴として、下記が挙げられます。「角交換型」「▲6六歩はできるだけ保留」「▲7八金型」
貴重な棒金VS石田流▲7七角型を解説
7月の4回の放送のうち、後半2回は4手目△4二玉からの棒金に対する戦術の解説です。
4手目△4二玉の場合、▲7八飛と回ると△8八角成▲同銀△4五角とされ危険なため、▲6六歩と角道を止めることになります。
この後、船囲いに組んだあと△8三金から飛車を圧迫してくる戦術が棒金戦法です(再掲載第2図)。
これに対し、▲7七角と上がって対抗するやんちゃな戦術を解説しています(第6図)。
棒金に対し、▲8八角+▲7九銀型のまま▲6五歩と突く戦術や▲7七桂〜▲8五桂と跳ねていく戦術を解説する棋書・雑誌が大多数をしめる中、▲7七角型を解説しているのは非常に貴重です。
VS棒金の2回の放送のうち、1回目の放送では第6図から△7四歩と仕掛けてくる展開を、2回目の放送では△4四歩と角道を止めて石田流のさばきを封じてくる展開を解説しています。
あわせて読みたい
石田流の基礎知識 棒金とは
棒金戦法とは、主に石田流三間飛車対策で用いられる、金銀による押さえ込み作戦です。数ある振り飛車戦法の中で石田流は、浮き飛車にして金銀よりも前線に飛車を配置する、特殊な作戦です。ならばその飛車を狙って金銀を盛り上げて押さえ込んでしまおう、というのが棒金の狙いとなります。
あわせて読みたい
VS棒金・定跡外しの▲7七角型石田流
「定跡外伝」 や 「島ノート 振り飛車編」(島朗九段 著) でしっかり紹介されたため、もはや完全に定跡が整備された感のある石田流VS棒金。第1図は島ノート141ページあたりとほぼ同一局面です。第1図以下、本の通りにお互い指すのが正着なのでしょうが、ここでは定跡を外す手順を紹介します。
8月のテーマは石田流VS持久戦
なお、7月号の巻末に載っている次号予告によると、次号8月号のテーマは石田流三間飛車VS持久戦です。
7月のテーマが石田流三間飛車VS急戦と、わざわざ「VS急戦」を付けていたことから、8月は「VS持久戦」だろうと予測していましたが、その通りになりました。
石田流にとって対居飛車穴熊はあまり怖くないので、前半2回の放送で対居飛車穴熊を悠々と解説し、難敵・対左美濃を後半の放送でじっくり解説する流れかもしれません。
8月の放送も楽しみです。
コメント