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「久保利明の三間飛車」ひとくちレビュー

本
目次

満を持しての三間飛車編

「久保利明の三間飛車」のひとくちレビューをお送りします。

久保利明 (著) 発売日:2022/3/14

タイトルが「久保の〜」または「久保利明の〜」で始まる棋書としては、これまで順に「久保の石田流」「久保の中飛車」「久保利明の四間飛車」とリリースしてきた久保九段。

今回、満を持して三間飛車編である「久保利明の三間飛車」をリリースしました。

もっとも、三間飛車編の発売を意図的に遅らせていたわけではなく、もともと久保九段はノーマル三間飛車(▲6六歩または△4四歩と早々に角道を止める三間飛車)をものすごく多く採用しているわけではなかったため遅くなったのでしょう。

奨励会時代は四間飛車が多かった久保九段。その後、2000年代前半の石田流やゴキゲン中飛車を多用していた時期を経て、近年ノーマル三間飛車の採用が増加傾向にあるので、今では久保九段のノーマル三間飛車の好局をまとめるのに十分な状況になっています。

また結果的に、三間飛車ミレニアムや三間飛車藤井システムなどの新しい戦術の棋譜を残したあとに本書をリリースことになったのは、ある意味タイミングが良かったと言えるかもしれません。

なお本書には、ノーマル三間飛車だけでなく3手目▲7五歩からの先手石田流や、初手▲7八飛、2手目△3二飛からの角交換三間飛車系の棋譜も数多く載っています。

本書の目次

本書の目次は以下の通りです。

本書の目次

私の三間飛車

第1部 自戦記編

第2部 棋譜解説編

私の三間飛車

「私の三間飛車」は18ページにおよぶ大作で、久保九段にとっての三間飛車との出会いのエピソードから始まり、大山康晴十五世名人、森安秀光九段ら影響を受けたプロ棋士の話、居飛車穴熊対策の話、そして三間飛車の現状として幅広い戦術解説が載っています。

第1部 自戦記編

第1部の自戦記編では、久保九段自身が12局の棋譜を自戦解説しています。振り飛車ミレニアムの一局(令和2年に行われた第79期順位戦B級1組、丸山忠久九段戦)に始まり、令和に入ってから指された棋譜6局を含む、新しい棋譜が数多く選ばれています。

掲載されている順番は、年代順ではありません。そんな中で1つだけ群を抜いて古いのが、平成14年に行われた羽生善治竜王(当時)との一局(第73期棋聖戦挑戦者決定トーナメント)の自戦記です。後手番石田流に関して、久保九段にとってターニングポイントとなった重要な一局だったようです。

久保九段が、採用した戦型・戦術をその当時どのようにとらえていたかがわかるのが面白いと思います。

第2部 棋譜解説編

第2部の棋譜解説編では、大石直嗣七段が久保九段の39局の棋譜を解説しています。

こちらは古い棋譜から新しい棋譜へ順に載っています。一局目の森下卓八段(当時)戦(第50期王将戦挑戦者決定リーグ戦)が平成12年と古く、次が平成20年に行われた阿久津主税六段(当時)戦(第34期棋王戦挑戦者決定トーナメント)で、以下はまんべんなく令和にいたるまでの棋譜が選ばれています。

ノーマル三間飛車を多用中の久保九段

本書が発売されたのは2022年3月14日。その翌日の3月15日、第93期ヒューリック杯棋聖戦にて、久保九段は豊島将之九段の居飛車穴熊相手にノーマル三間飛車穴熊+石田流組み換えの布陣を採用して勝利。自らの三間飛車の棋書発売に、見事に花を添えました。

さらに、将棋連盟ライブ中継アプリで中継された久保九段の直近20局を見ると、そのうちなんと11局で三間飛車を採用しており、過半数を占めています(うち10局がノーマル三間飛車、1局が3手目▲7五歩からの石田流)。

「久保利明の三間飛車」で解説されている三間飛車の名局だけでなく、久保九段のこれからの三間飛車にも引き続き注目していきたいと思います。

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