千田翔太七段、朝日杯優勝
2020年2月11日に行われた第13回朝日杯将棋オープン戦・本戦トーナメントにて、千田翔太七段が準決勝で藤井聡太七段、決勝で永瀬拓矢二冠(叡王・王座)に勝利し、初優勝を飾りました。おめでとうございます。
2015年度の第65回NHK杯テレビ将棋トーナメントで準優勝、2016年度の第2期叡王戦で準優勝など、「シルバーコレクター」という本人にとってあまり嬉しくないであろう呼び名が付きまとっていただけに、嬉しい優勝だったに違いありません。
朝日杯とりました。応援してくださった皆様のおかげです。
— Chida Shota ☁ (@chidanza) February 11, 2020
千田七段はコンピュータ将棋ソフト(AI)に造詣が深く、プロ棋界で最も早くソフトを研究に取り入れた棋士のひとりです。
コンピュータ将棋ソフト開発関係者の間でも絶大な人気を誇っています。そのため、今回の優勝には将棋ソフト開発者の方々からも数多くの祝福のコメントが寄せられていました。
千田翔太七段、朝日杯での優勝。本当におめでとうございます!
将棋ソフトを研究に活かした若手棋士が棋戦で活躍するのは、将棋ソフト開発者冥利に尽きます。
優勝賞金は750万円だそうで、世界コンピュータ将棋選手権のスポンサー、いまからでも間に合いますよ!一位から三位のソフトに100万円文字数 https://t.co/15LufSsaWK
— やねうら王 (@yaneuraou) February 11, 2020
千田先生優勝!おめでとうございます。
これでコンピュータ将棋界で誰が一番先に3990Xを入手するか競争は千田先生が抜け出しましたか!— たややん@水匠(COM将棋) (@tayayan_ts) February 11, 2020
千田七段オススメの振り飛車党コンピュータ将棋ソフト
そんな千田七段が、優勝から数日後の2020年2月16日に行われた第45期棋王戦五番勝負第2局、▲本田奎五段 対 △渡辺明棋王(王将・棋聖)戦のニコニコ生放送での中継に、解説者として登場しました。
その中で、以下のような発言があったそうです。
千田翔太七段「ソフトを活用して将棋を勉強したとしても、なんだかんだで元々の棋風は残る、性格と言ってもいいかもしれませんが」「使用ソフトはYaneuraOu+Kristallweizen、矢倉などの評価値が感覚に合う」「振り飛車党には振電をお勧めします 導入も用意なので」「振り飛車定跡はHoneyWaffle」 pic.twitter.com/xmIhu2fTge
— ロタ (@Rota_JP) February 16, 2020
本ブログとして注目したいのは、やはり振り飛車のところです。
振り飛車評価関数・振電
「振電」とは、たややんさんが開発した振り飛車評価関数です。現在はその後継の「振電改」が公開されています。
本ブログでたまに評価値グラフを載せていますが、棋譜解析には振電改を用いています(2020年2月現在)。
振り飛車定跡・HoneyWaffle
「HoneyWaffle」とは、渡辺光彦さんが開発している振り飛車定跡ファイル(Book)です。
本ブログでは2018年から注目しており、WCSC28、WCSC29での戦いぶりを解説しています。
難解な用語とインストール方法
引用コメントの通り、千田翔太七段は「振り飛車党には振電をお勧めします 導入も用意なので」とコメントしていますが、実際のところ、コンピュータやプログラミングに慣れていない人には難解極まりない作業でしょう。そもそも「評価関数」や「定跡ファイル」って何?というところから前に進めないかもしれません。
まずはコンピュータ将棋用語に慣れておき、その後コンピュータ将棋ソフトの導入に挑戦してみるとよいでしょう。Google検索すればいろいろな情報を入手できます。
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