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コーヤン流(中田功XP)の使い手・中田功七段
2019年1月21日に、第45期棋王戦予選、▲矢倉規広七段 対 △中田功七段戦が行われました。
本局の棋譜と詳しい解説は、将棋連盟ライブ中継アプリで観ることができます。
中田功七段は、言わずと知れたベテラン振り飛車党。とりわけ「コーヤン流三間飛車の極意」でおなじみの、コーヤン流三間飛車(中田功XP)の使い手です。
本局でも、先手・矢倉七段の居飛車穴熊に対し、中田七段が確立したお手本通りのコーヤン流の布陣で臨みました(第1図)。
△5三銀型、そして将来の端攻めをにらんだ△9五歩+△7一玉+△7三桂型がコーヤン流の骨子です。
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飛車をさばいて角を放つ
十数手進んで第2図。
▲2四角△2二飛▲2五歩として迎えた局面で、部分的には居飛車持久戦VS振り飛車で頻出の攻防です。
ここから△2四飛!がコーヤン流の一手。飛車をさばいて持ち角を居飛穴攻略にフル活用します。具体的には第2図以下△2四飛▲同歩△6五歩▲同銀△8二角!▲3八飛△9六歩と進みました(第3図)。
この後、8二の角は1九の香を取ったあと馬として自陣に生還し、取った香は△9二香打から端攻めに活躍。
先手の反撃をしのぎつつ、居飛穴を攻略しました。
八段昇段
勝った中田功七段は、七段昇段後190勝の八段昇段規定を満たし、見事八段に昇段しました。おめでとうございます。
中田功八段、早速対局
昇段した中田八段ですが、2日後の1月23日に早速昇段後の初戦を迎えました。
第69期大阪王将杯王将戦、▲西田拓也四段 対 △中田功八段の一局で、今度は西田四段の三間飛車に対し、居飛車急戦で対抗。
振り飛車のさばきを封じる押さえ込みが成功し、中田八段優勢の局面が続きましたが、終盤失速し無念の逆転負け。
しかし、勝局含め魅力ある対局を披露し続けており中田八段はまだまだ健在です(こんなことをご本人に話したら、「当たり前だよ」と一笑に付されるかもしれませんが)。
これからも中田八段を応援し続けたいと思います。
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