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「中原の三間飛車で勝つ」ひとくちレビュー

目次

中原誠十六世名人による三間飛車解説書

「中原の三間飛車で勝つ」のひとくちレビューをお送りします。

中原誠 (著) 発売日:1983/5/1

居飛車正統派の中原誠十六世名人ですが、数多くの棋書をリリースしており、その中には振り飛車の戦術書も含まれています。この「中原の三間飛車で勝つ」はその1つ。今から約40年前に発売された棋書です。

先手三間飛車の優秀性

すべて三間飛車が先手番となっています。はしがきにて、中原十六世名人は以下のように書いており、先手三間飛車の優秀性を説いています。

私も実戦で大山十五世名人と、居飛車側を持ってずいぶん戦ってきたが、先手の三間飛車には対策に苦心し、悩み続けたものである。

したがって、先手三間飛車の指し方を覚えれば、アマチュアの方には大きなプラスになるのではないかと思う。

目次

目次は以下の通り。

目次

一 後手、△7三桂-△6五歩の急攻
 1 居飛車早仕掛けの威力
 2 早仕掛けの対策

二 後手、△5三銀左-△6四銀の急攻
 1 △7五同銀の対策
 2 △5五歩の対策
 3 先手▲4七金型

三 後手、△2三玉型左美濃戦法
 1 先手▲2六歩の指し方
 2 先手▲8八角の指し方

四 石田流の攻防
 1 升田式石田流
 2 超急戦石田流

目次のページにて、節ごとにプチ総括が載っているのがユニークなところです。

対急戦と対持久戦

「一」では△7三桂と跳ねたあとの△6五歩早仕掛けに対する戦術を、「二」では△5三銀左~△6四銀~△7五歩と仕掛けてくるナナメ棒銀に対する戦術を解説しています。居飛車側の囲いは昭和時代のオーソドックスな船囲いです。

「三」では△2三玉型でかつ右銀を△3三銀に持ってくる天守閣美濃(四枚美濃)に対する戦術を解説しています。振り飛車側の布陣は、左銀を4六に持ってくる真部流の布陣です。四枚美濃VS真部流を扱っている棋書はまれで、価値があると思います。

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升田式石田流も

ノーマル三間飛車の解説から一転、最後の「四」では石田流の攻防を扱っているのが面白いところ。

本書で解説されているのは、角交換になる升田式石田流です。

四の2の「超急戦石田流」とは本ブログでいうところの「早石田」のことで、早石田が爽快に決まる手順が載っています。「終わり良ければすべて良し」を狙ったのでしょうか?なお、本書では「早石田」という言葉は使われていません。

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中原十六世名人の三間飛車

中原十六世名人が実戦で指した三間飛車について、紹介しておきます。

本格派の居飛車党である中原誠が採用した三間飛車といえば、なんといっても1972年の第31期名人戦七番勝負第6局でしょう。

大山康晴名人に中原誠十段(肩書はいずれも当時)が挑んだこの名人戦七番勝負で、2勝3敗とカド番を迎えた中原十段が採用したのは、まさかの三間飛車でした。さらに手に乗って石田流へと組み換える展開となりました。

この大博打で勝利した中原十段は、最終第7局で今度は中飛車を採用。大山名人の▲4六金戦法を打ち破り、当時史上最年少の24歳で名人位に就いたのでした。

この名人戦は、大山時代から中原時代へのターニングポイントにもなりました。

数多くの棋書を著した中原十六世名人

棋界の第一人者だった中原誠十六世名人。

とりわけ天守閣四枚美濃VS真部流の解説は高いものの、40年近く前の棋書であり、さすがに体裁が古く今購入することはオススメしません。

中原誠十六世名人がリリースした数多くの棋書の中には三間飛車の解説書もあります、という紹介でした。

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