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西田拓也五段の石田流組み換え 対 伊藤匠五段の居飛車持久戦

VS右四間かんたん講座 第2章・第4節 VS超急戦 △6二飛型 その2

右四間飛車
目次

①△6六歩の変化

それではまず、前回の第2図から①△6六歩(第1図)と押さえ込みにこられた場合の対策について説明します。

【第1図は12手目△6六歩まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v王v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 飛 銀 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 王 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=12 △6六歩まで

第1図以下の指し手
▲7七角  △4二玉
▲4八玉  △3二玉
▲3八玉  △7四歩
▲6七歩! (第2図)

【第2図は19手目▲6七歩まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v王v角 ・|二
|v歩v歩 ・ ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・v歩 ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 歩 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 飛 銀 金 ・ 王 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=19 ▲6七歩まで

機を見て「合わせの歩」

気を付けなければならないのは、△6六歩と打たれたタイミングで▲7七角と上がるべき、ということ。そうしないと、△8五飛と回られて面倒なことになります。

また、本譜手順中▲4八玉と上がらずに早速▲6七歩と合わせにいくのは危険です。後手から手は無いので、先手も手に乗って▲4八玉→▲3八玉と玉を囲いにいくほうが勝ります。3八まで囲えば2七の地点をケアできるのが大きなポイントです。

そして▲3八玉まで囲ってから、満を持しての▲6七歩!これで位を奪還できます。

第2図以下の指し手
      △6七同歩成
▲同 銀  △6二飛
▲6八飛! (第3図)

【第3図は23手目▲6八飛まで】
後手の持駒:歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v王v角 ・|二
|v歩v歩 ・ ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・v歩 ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 銀 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ 飛 金 ・ 王 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=23 ▲6八飛まで

鉄則通りの飛車寄り

中段飛車では戦えないとみて当たりを避けた△6二飛に対し、▲6八飛!「戦いの起こっている筋に飛車を振り、さばきにいく」という振り飛車の鉄則通りの飛車寄り。本譜の一連の手の流れに、感動すら覚えます。

第3図を眺めてみると、先手の左銀・金に対し、後手の右銀・金が立ち遅れているのがわかります。

強豪の中盤戦

以上で①△6六歩対策は終わってもよいのですが、第3図以下のo.kantaro七段の勝ち切り方も必見ですので、 続けて紹介させていただきます。

第3図からだいぶ進んで迎えた第4図。

【第4図は52手目△4四同角まで】
後手の持駒:銀 歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・v金v王 ・ ・|二
| ・v歩 ・v金 ・v歩 ・v歩 ・|三
|v歩 ・v歩 ・v歩v角 ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 桂 金 歩 歩 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 飛 ・ ・ 銀 王 ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 銀 歩 
手数=52 △4四同角まで

玉が堅い、一歩得(左銀の進出で3四の歩をかすめ取った)、角が手持ち、と先手いいことづくめの第4図ですが、勝ちきるのはまだまだ大変です。ここからの強豪の方の指し回しはとても参考になります。

第4図以下の指し手
▲4六歩  △3三桂
▲4八飛  △5三角
▲4五歩  △6四角
▲4七銀  △8二角
▲3八金  (第5図)

【第5図は61手目▲3八金まで】
後手の持駒:銀 歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v銀 ・v香|一
| ・v角 ・v飛 ・v金v王 ・ ・|二
| ・v歩 ・v金 ・v歩v桂v歩 ・|三
|v歩 ・v歩 ・v歩 ・ ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 桂 金 歩 銀 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 飛 金 王 ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 銀 歩 
手数=61 ▲3八金まで

手厚い指し回し

パッと見だと、とりあえず▲5一銀と割り打ちをかけて相手陣を薄くしたくなりますが、効果薄ということなのでしょう。相手の角頭をいじめつつ、玉頭を手厚くしていくのが効果的な指し回しのようです。勉強になります。

第5図以下の指し手
      △5三金寄
▲3六銀  △5二金引
▲4四歩  △同 歩
▲同 飛  △4三金右
▲4八飛  △4六歩
▲3五銀打 (第6図)

【第6図は71手目▲3五銀打まで】
後手の持駒:銀 歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v銀 ・v香|一
| ・v角 ・v飛 ・v金v王 ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・v金v桂v歩 ・|三
|v歩 ・v歩 ・v歩 ・ ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 ・v歩 銀 ・ 歩|六
| ・ 歩 桂 金 歩 ・ 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 飛 金 王 ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩二 
手数=71 ▲3五銀打まで

玉頭戦で圧倒

後手の右金の立て直しに対し、先手は▲3六銀から▲3五銀打と、玉頭の勢力をさらに強めていきます。以下、最後まで玉頭の戦いに終始し、結果は先手の圧勝。「お見事」の一言です。

次回は、前回の第2図から②△6二飛とする展開について説明します。

次回

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