この記事は、2003年に書いた記事に加筆修正を加えたものです。
2018年追記 最近の三間VS右四間
2003年ごろに「三間飛車のひとくちメモ 旧館」で連載していた「VS右四間かんたん講座」を、このブログに移行しました。
2018年現在のノーマル三間飛車 対 右四間飛車の情勢は2003年当時と変化しておらず、ノーマル三間飛車が十分に戦えるという見解や、そもそも実戦例が乏しいという状況は変わっていません。ノーマル三間飛車 対 右四間を解説した棋書も増えていません(私の調査結果)。
一方で石田流(3手目▲7五歩)対 右四間飛車を解説した棋書は、「よくわかる石田流」(高崎一生六段 著)をはじめ、3、4冊増えました。ノーマル三間 対 右四間とよく似た変化も多く、それら棋書も参考になると思います。詳しくは下記記事を参照ください。
また、3手目▲7五歩に対する「山本流石田封じ」という戦法も現れました。が、決定版にはなっていませんし、そもそも▲7八飛と振らずに安全策で▲6八飛とすれば先手が十二分に戦えます。
三間飛車 対 右四間飛車の戦いを巡っては以上のような変化が起きていますが、本講座については基本的に2003年当時の内容のままとします。
(追記ここまで)
はじめに
「右四間飛車戦法」(第1図)に対する受け方がわからない!というノーマル三間飛車党の方々のために、「VS右四間かんたん講座」をお贈りしようと思います。
「かんたん」というのは、簡単に右四間を撃破できる、というわけではありません(それほど甘いわけではありません)。
ノーマル三間飛車VS右四間飛車の戦い方のコツを、特に級位者の方々向けに、なるべく難しい話は省いて解説していこうという意味です。
基本は四間飛車VS右四間飛車
「右四間飛車戦法」は、特に対四間飛車戦においてアマチュア棋界で一時期猛威を振るっていましたし、2003年現在でも対振り飛車、対矢倉の戦法として人気を誇っているといえます。
2002年には、三浦弘行先生による「三浦流右四間の極意―四間飛車をやっつけろ」という著書も発刊されており、その売り上げからもこの戦法の人気がうかがえます(この書籍では、幸い三間飛車は標的にされていないようです)。
相手が四間に振ってきたのを見て、同じ位置に振って攻めつぶそう、というごう慢な戦法と言えるかもしれません。
さて、「四間飛車VS右四間飛車でもいい勝負なのだから、筋違いの三間に振っていたら、受けの枚数が足りずに右四間に4筋を簡単に突破されてしまうんじゃないの?」と思われるかもしれません。しかし、その考え方自体が、現代の振り飛車党感覚では「筋違い」となっているようです。
すなわち重要視すべきは「さばき」。四間飛車による現代感覚の右四間対策は、右四間の攻めは相手にせず、隙あらば3筋や2筋に飛車を振って捌きにいこう、というもの。
このあたり、私は所有していないので詳しくは知りませんが、「最強藤井システム」(藤井猛先生著)に参考になる棋譜や解説が載っているようです。
そもそも筋違いの三間飛車
「さばき」の方針でいくのは三間飛車でも同様。むしろ始めから右四間とは筋違いなので、こちらから動きやすいという利点があります。弱気に3筋から4筋に飛車を振りなおしていてはいけません。
では次回から図面入りで解説していこうと思います。
コメント