この記事は、2003年に書いた記事に加筆修正を加えたものです。
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羽生四段の▲4五歩早仕掛け
1986年、▲羽生善治VS△小阪昇戦より(敬称・段位略)。
後手三間飛車に対して先手が素早く動く、▲4五歩早仕掛け(第1図)。
正直、後手三間飛車を指していてこの仕掛けられ方はかなり嫌いです。しかし24ではみな居飛車穴熊もしくは5七銀左・3七桂型急戦ばかりで、これをやられたことはないですが。
将棋倶楽部24万局集で検索をかけたところ、12局くらいヒット。
さて、定跡では、▲4五桂の前に▲3三角成△同銀をいれることになっています。
単に桂跳ねだとどうなるか。
第1図以下の指し手
△8八角成
▲同 銀 △4六角
▲2九飛 △3三桂!
▲4七金 △6四角
▲3三桂成 △同 飛
▲4六歩 △5三飛(第2図)
左桂のさばき
△3三桂がうまい切り返し。後手良し。左桂のさばきは振り飛車の生命線です。
この後、羽生先生の腕力を持ってしても逆転できなかったくらいなので、 プロ的には相当大差なのかも(笑。いや、失礼!)。
終局までの棋譜および詳しい解説は「将棋世界」2003年4月号に載っていますので、深く知りたい方はそちらをどうぞ。
また、この居飛車超急戦に対する後手の指し方の新手法が、「コーヤン流三間飛車の極意 急戦編」にも載っていますので、そちらも参考にしてみるとよいでしょう。
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コーヤン流 VS ▲4五歩早仕掛け
▲某六段 対 △kabagon六段戦より。後手三間飛車に対する、居飛車の▲4五歩早仕掛け(第1図)。三間飛車側が△8二玉型ではなく、「コーヤン流三間飛車の極意・急戦編」で紹介されている「△7二玉・△9四歩型」になっています。▲3五歩が緩手だったのかもしれません。△2五桂と飛車道を止め、さらに▲3五歩の裏を突いて△3六桂。気持ちの良い桂使いが続きました。
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