将棋クエストの「実戦!詰めチャレ」がおもしろい

駒 コンピュータ将棋ソフト

将棋クエスト

iPhoneやAndroid端末、Webブラウザで楽しめるオンライン将棋対戦アプリ、「将棋クエスト」。

「2分切れ負け」ルールを持つのと、「ついたて将棋」も楽しめるのが特徴的です。「将棋ウォーズ」と比較して、1日の対局数制限がないのもグッドポイント。私は2分切れ負け、5分切れ負け、10分切れ負けのいずれも四段で指しています。

実戦!詰めチャレ

この将棋クエストに、最近「実戦!詰めチャレ」というミニゲームが追加になりました(iOSでは1月末から、Androidでは2月末から)。

私(iPhone3GS来のiPhoneユーザー)がこのミニゲームに気付いたのは10日ほど前だったのですが、これがかなりおもしろい。

おそらく将棋クエストで過去に指された実戦譜から、詰む局面を自動抽出して問題化したのでしょう。コンピュータ将棋ソフト同士の対局の投了直前の局面(水平線効果で不利側が無意味な王手ラッシュで持ち駒を使い果たしてボロ負け状態になっている)と違い、自然な問題局面です。

詰み局面で駒余りがあり、たまに余詰めもあるので厳密には「詰め将棋」というより「詰む将棋」ですが、初手や3手目など早いうちから余詰めがあるような問題に出会った記憶はなく、ほとんど気になりません(そもそも「詰め将棋」とは言っておらず「詰めチャレ」であり、詰ませば勝ちです)。

例えば、以下は振り飛車対居飛車穴熊でいかにもありそうな(というか実際にあったと思われる)実戦詰将棋です。

相手玉周辺を凝視していて8八に角がいるのに気付くのが遅れ、解けませんでした・・・。解答は以下に載せておきます(タップまたはクリックで開きます)。

普通に香成り(▲1三香成)から入り、△同銀なら▲1一飛~▲1二銀(▲1四銀)、△同角なら▲2四桂~▲1二銀~▲1四飛で詰んでいます。

角の利きが絶大です。

レーティングが付いている

「実戦!詰めチャレ」は、問題にレーティングが付いているのがユニークなところです。従来、詰将棋といえば「5分で初段」など、アバウトな表記があるのみでした。

詰めチャレでは、おそらくまず詰め手数やまぎれの多さをもとにレーティングを自動的に付与し、そのあとさまざまなレーティングを持つ解答者がその問題を正答したり誤答したりするのを受けて、解答のたびにレーティングを自動補正しているのではないかと思います。

解答者の詰めチャレ棋力に合わせた問題が出題されるので、初心者からプロ棋士まで、誰にとっても難しすぎるとか簡単すぎるということがありません。難しさは人による相対的なものです。解答者のレーティングに対し±200点くらいの幅で、正答率が70%程度になるように問題が出題されるようです。

30秒まったなし

これがキツいですし、醍醐味ともいえるでしょう。たった30秒ですので、自分にとって難しい問題になると、30秒では詰みまで読み切れません。通常の詰将棋ならば、初形で詰みまで読み切るのが普通です。

私の場合、5秒で局面把握、15秒読んで、残り10秒を切っても詰みが見えない場合は意を決して最もらしい初手を指す、といったところでしょうか。

指した瞬間正解に気付いたときはガク然とします。待ったが効かないのが痛い。待ったできてしまうとしらみつぶしに正答を探されてしまうこともあるので、ルール上やむを得ないでしょう。

逆に読み切れていない変化を相手が選ばなかったときはホッとします(笑)。

追記:残り5秒未満で着手した場合

250問くらい解いてきたところで気付いたのですが、残り5秒未満で着手した場合、次に手番が回ってきたときは残り時間が5秒に回復します。つまり、「5秒将棋」ということです。

これに気付いてからは若干心に余裕ができました(裏を返すと、それまでは時間を見る余裕が全くなく気付きませんでした)。ただし、ぎりぎりで指そうとすると時間が切れてしまうこともあるので危険です。

(追記ここまで)

不正解後の一人反省会

30秒経って解答時間が終わると、正解でも不正解でも問題局面が表示されますので、不正解の場合はここで一人反省会を行うことができます(笑)。

解答終了後、問題局面をツイートする機能もあります。

解答は以下に載せておきます。

問題図以下、▲9一飛△7二玉▲9二飛成△7一玉▲8二銀(逃がすので指しにくく読み切れなかった)△6二玉▲7三銀不成△5三玉(△同玉は▲8二飛成まで)▲4二銀△5四玉▲5五歩△同銀▲4五金まで。余詰めがあるかもしれません。

最後の▲5五歩△同銀▲4五金が、詰将棋作品にはない味気ない収束で(笑。ほめています)、実戦的で良いと思います。

7六の桂や5六の金も詰みに関わっており、出題後の数秒でこれらまで盤面把握しなくてはならないのがキツいです。

一人反省会で、冷静に見ると一瞬で正解手順がわかるときや、まれに数分考えても解けないこともあります(苦笑)。解答手順は示されないのでモヤモヤしますが、ソフトにかけて解かせている時間がもったいないので、新たな問題を解き始めたほうが効率的でしょう。

詰めチャレならではの高レート問題

例えば以下の問題は詰めチャレならではの高レート(2100点台)問題。将棋クエスト開発者の棚瀬寧さんによるツイートです。

詰将棋慣れしている人ならば、確実に初手▲8三角から読み進めるでしょう。しかし詰まない。残り10秒くらいでエイヤッと▲8三角と指して並べ詰みを目指すけど、やっぱり詰まない。

そして解けなかった人は解答時間終了後に改めて問題を見て、あまりのかんたんさに発狂したことでしょう。

解答は以下に載せておきます。たったの3手詰めです。

▲6二銀△7二玉▲6一角まで。単純な頭銀で詰んでいます。

私がこの問題に遭遇したら、やはり初手▲8三角で時間を浪費してしまって解けていない可能性が非常に高いです。

「は?こんなの余裕だろw」と思う人は、ぜひ「実戦!詰めチャレ」に挑戦してみてください。ガク然とする問題に出会えることでしょう。

苦手な詰将棋の傾向分析を希望

これは将来的な希望ですが、苦手な詰将棋や詰め手筋の傾向分析をしてくれるとより棋力アップに効果的になると感じます。

例えば、「尻金」で詰ます詰将棋が苦手、一間竜で詰ます詰将棋が苦手、角の利きを活かした詰将棋が苦手、などです。

詰将棋の概念を変えた「実戦!詰めチャレ」

問題に精度の高いレーティングが付き、読み切る前に指す決断をしなくてはならないこともある「実戦!詰めチャレ」。

詰みが見えた時の「アハ体験」、予想外の応手をされ頭が真っ白になる「ホワイトアウト」(造語)、そしてしょうもない見落としに気付いたときの絶望感。30秒毎にこれらの感情が怒涛のように押し寄せてきます。病み付きになる人もいるでしょう。

大げさにいえば、詰将棋の概念を変えた、新たな将棋ゲームの誕生といえるのではないでしょうか。