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西田拓也五段の石田流組み換え 対 伊藤匠五段の居飛車持久戦

o.kantaro七段の居飛車穴熊退治

居飛車穴熊

この記事は、2003年に書いた記事に加筆修正を加えたものです。

目次

最強クラスの24三間飛車党・o.kantaro七段

(参照サイト:将棋倶楽部24)

将棋倶楽部24で最強クラスの棋力を誇る三間飛車党・o.kantaro七段(2003年時点)。

その対局の一部を2局紹介します。

第1局 桂の活用&含み残し

▲o.kantaro七段VS△某六段戦より(第1図)。

【第1図は52手目△4二角まで】
後手の持駒:歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v銀v桂v王|一
| ・ ・ ・ ・ ・v角v金v銀v香|二
| ・ ・v歩v歩 ・v金 ・ ・ ・|三
|v歩v飛 ・ ・v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・v歩 歩 ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 飛 歩 歩 歩 歩 角 歩|六
| 歩 歩 ・ ・ 銀 金 ・ 銀 ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 金 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=52 △4二角まで

三間飛車銀冠VS居飛車穴熊。常人では、▲4五歩を急いでしまうところですが。

第1図以下の指し手
▲6五歩  △6四歩
▲3七桂  △6五歩
▲4五歩  △同 歩
▲7七桂  △7四歩
▲6五桂  △7五歩
▲7九飛  (第2図)

【第2図は63手目▲7九飛まで】
後手の持駒:歩四 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v銀v桂v王|一
| ・ ・ ・ ・ ・v角v金v銀v香|二
| ・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・ ・|三
|v歩v飛 ・ ・v歩 ・v歩 ・v歩|四
| ・v歩v歩 桂 ・v歩 ・ 歩 ・|五
| ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 角 歩|六
| 歩 歩 ・ ・ 銀 金 桂 銀 ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 金 王 ・|八
| 香 ・ 飛 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=63 ▲7九飛まで

▲4五歩は急がず、左桂(本譜では右桂も)の活用を図ります。 続いて、6二または7一の角成も急がず、含みとしてとっておき相手を威嚇しています。勉強になります。

o.kantaro氏の将棋を並べていると、左桂の使い方が異様にうまいことがよくわかります。 華麗な桂の捌きを覚えたいものです。

第2局 玉頭への殺到

▲某六段VS△o.kantaro七段戦より(第3図)。

【第3図は39手目▲4六銀まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・v王v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・ ・v飛 ・ ・|二
| ・v歩v桂v金 ・ ・v角v歩v歩|三
| ・ ・v歩v銀v歩v歩v歩 ・ ・|四
|v歩 ・ ・v歩 ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| 香 銀 金 角 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 王 桂 金 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=39 ▲4六銀まで

右辺が受けづらく、振り飛車側が早くも苦しいようですが・・・。 こんな指し方もあるのか、と参考になる手順です。

第3図以下の指し手
      △8五桂
▲8六角  △8一玉
▲1六歩  △8四歩
▲3七桂  △7一金
▲2六飛  △4二角
▲6八角  △7五歩
▲3五歩  △7六歩
▲3四歩  △7五銀(第4図)

【第4図は54手目△7五銀まで】
後手の持駒:歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v王v金 ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・v角v飛 ・ ・|二
| ・ ・ ・v金 ・ ・ ・v歩v歩|三
| ・v歩 ・ ・v歩v歩 歩 ・ ・|四
|v歩v桂v銀v歩 ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・v歩 ・ 歩 銀 ・ 飛 歩|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 桂 ・ ・|七
| 香 銀 金 角 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 王 桂 金 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=54 △7五銀まで

先手の角の上下は、後手の端攻めを気にしたものでしょう。後手は、(後手から見て)左辺は相手にせず軽くいなし、 右辺から桂跳ねや△7五歩で穴熊の玉頭への殺到を図っています。自玉は△8一玉から△7一金と、 ミレニアムに似た低い陣形をとっています。

後手は局面の方針がしっかりとしているのが見てとれ、「端攻めを狙う」という一貫性を本譜ではきっちり保っています。 結果は後手勝ち。

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