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阿久津主税八段のNHK将棋講座スタート
2020年4月から、NHK将棋フォーカス内の将棋講座で「阿久津主税の楽しく勝とうB級グルメ戦法」がスタートしました。
ここでいうB級戦法とは、王道の居飛車や振り飛車ではない、一風変わったユニーク戦法のことを指しています。
4月のテーマ(鬼殺し、新鬼殺し、角頭歩戦法、パックマン戦法)を見ると、ハメ手や奇襲戦法のことを指しているように見えますが、5月のテーマは原始棒銀、相掛かりノーガード戦法、筋違い角、筋違い角棒銀となっており、必ずしもハメ手や奇襲戦法というわけではありません。
鬼殺しと新鬼殺し
この記事では、三間飛車と関連がある鬼殺しと新鬼殺しを簡単に紹介しておきます。
鬼殺し戦法
鬼殺し戦法とは、序盤から▲7七桂〜▲6五桂と跳ねていく奇襲戦法です(第1図)。
将棋の奇襲戦法の中で最も有名なのではないでしょうか。これぞ奇襲戦法、という速攻と破壊力です。
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奇襲戦法の基礎知識 鬼殺しとは
「鬼殺し」とは、将棋の奇襲戦法のひとつです。意外性のある派手な手順と決まったときの破壊力は「奇襲」の名にふさわしく、戦法のネーミングの良さと相まって、最も有名な奇襲戦法なのではないでしょうか。
新鬼殺し戦法
新鬼殺し戦法は、鬼殺し戦法と似ていますが、▲7七角と上がって隙を見せ、相手に角交換をさせて▲7七同桂と跳ねるところが異なる点です(第2図)。
奇襲を仕掛けるというよりも、誘いの隙を見せて相手をハメる要素の方が大きい戦法でもあります。
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奇襲戦法の基礎知識 新鬼殺しとは
「新鬼殺し」とは、鬼殺しのような奇襲を仕掛ける突撃力を持ちながらも、仕掛けずに駒組みを進める展開に持ち込むこともできる、「進化した鬼殺し」とも言える戦法です。奇襲を仕掛けるというよりも、誘いの隙を見せて相手をハメる要素の方が大きい戦法でもあります。
成功パターンを深く詳しく解説
すでに4月分のテレビ放送は終わってしまいましたが、将棋講座テキストはもちろん現在も発売中です。
各戦法の成功パターンが深く詳細に解説されています。
これを読んでおけば、相手が術中にハマり始めたら逃さず優勢に持っていけるようになるのではないかと思います。
ただし、優勢になってから勝ち切るまでが難しいのは正統派戦法でもB級戦法でも同じ。終盤力が必要なのは言うまでもありません。
△4四歩パックマンも
4月号には、先日のNHK杯テレビ将棋トーナメントで山崎隆之八段が採用して見事勝利した△4四歩パックマン戦法も掲載されています(第3図。山崎八段の対局の局面図ではなく、パックマンの代表図です)。
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山崎八段、再びパックマンで西川六段の三間飛車に勝利 NHK杯
2020年4月12日に放送されたNHK杯テレビ将棋トーナメント、▲西川和宏六段 対 △山崎隆之八段戦。持ち時間の短いこのNHK杯戦にて、山崎八段がまたしてもやってくれました。奇襲戦法の「パックマン」です。
パックマンは、先手が4四の歩を取ってきたらパックマンの戦い方をすればよく、4四の歩を取らずに▲2六歩と突いてきたら△3四歩と突いて何事もなかったかのように振り飛車にすることもできるので、三間飛車党を含む振り飛車党に向いていると言えるかもしれません。
気分転換や特効薬に
将棋を覚えて三間飛車を指し始めたものの、独特のさばきや指し回しに慣れず、居飛車に押さえ込まれて苦労している方もいるかもしれません。
そんなときの気分転換や特効薬として、桂馬を跳ねていき軽い形でバンバン仕掛ける奇襲三間飛車を採用してみるのも面白いのではないでしょうか。
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