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西田拓也五段の石田流組み換え 対 伊藤匠五段の居飛車持久戦

宮本広志五段、得意の石田流で三浦弘行九段に挑む NHK杯

宮本流
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石田流▲7七角型 対 左美濃

第67回NHK杯テレビ将棋トーナメント2回戦、▲宮本広志五段 対 △三浦弘行九段戦。

本局の棋譜は、NHK杯テレビ将棋トーナメントのWebサイトで観ることができます(2017年10月時点)。

宮本五段が先手という時点で確信した方もいたと思いますが、先手石田流 対 後手居飛車の対抗形となりました(第1図)。

【第1図は29手目▲2六歩まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・v銀v王 ・|二
|v歩 ・v歩v銀 ・v歩v角 ・ ・|三
| ・v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩v歩|四
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 飛 歩 銀 ・ ・ 歩 歩|六
| 歩 歩 角 ・ 歩 歩 歩 ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ 金 ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 王 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=29 ▲2六歩まで

三浦九段が選択した布陣は、相手の十八番に真っ向から立ち向かう△2二玉型左美濃です。

宮本新手「対左美濃▲2六歩」

第1図のように、▲3九玉・▲3七歩型での▲2六歩が、2014年11月の第73期順位戦C級2組、永瀬拓矢六段戦で宮本五段が初披露した新手。

「宮本流」とも呼ばれています。

より正確には、このあと▲2五歩△同歩▲1七桂!(第2図)と玉頭から襲いかかる構想までが宮本新手といえます。

【第2図は45手目▲1七桂まで】
後手の持駒:歩二 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v金v金v王 ・|二
|v歩 ・v歩v銀 ・v歩v角v銀 ・|三
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|四
| ・ ・ 歩v歩v歩 ・ ・v歩 ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・ 歩|六
| 歩 歩 角 ・ 歩 歩 歩 ・ 桂|七
| ・ ・ ・ ・ 金 ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 王 ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 歩 
手数=45 ▲1七桂まで

宮本流について、詳しくは以下の記事を参照ください。

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石田流の基礎知識 宮本流とは 「宮本流」とは、先手石田流▲7七角型 対 後手左美濃の戦いにおいて、左美濃に対して序盤早々玉頭攻めを狙っていく戦術です。▲3六歩+▲3七桂型からではなく、▲1七桂から▲2五桂を狙うのが大きな特徴です。

A級棋士の腕力

本局は第2図以下激戦が繰り広げられましたが、結果は三浦九段の勝利。

宮本新手を編み出した宮本五段相手に、臆することなく△2二玉型左美濃を選択した三浦九段。

相手がもっとも力を発揮する土俵上での貫禄の勝利には、さすがはA級棋士、戦型選択も終盤力も見事というほかありません。

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