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石田流▲7七角型 対 左美濃
第67回NHK杯テレビ将棋トーナメント2回戦、▲宮本広志五段 対 △三浦弘行九段戦。
本局の棋譜は、NHK杯テレビ将棋トーナメントのWebサイトで観ることができます(2017年10月時点)。
宮本五段が先手という時点で確信した方もいたと思いますが、先手石田流 対 後手居飛車の対抗形となりました(第1図)。
三浦九段が選択した布陣は、相手の十八番に真っ向から立ち向かう△2二玉型左美濃です。
宮本新手「対左美濃▲2六歩」
第1図のように、▲3九玉・▲3七歩型での▲2六歩が、2014年11月の第73期順位戦C級2組、永瀬拓矢六段戦で宮本五段が初披露した新手。
「宮本流」とも呼ばれています。
より正確には、このあと▲2五歩△同歩▲1七桂!(第2図)と玉頭から襲いかかる構想までが宮本新手といえます。
宮本流について、詳しくは以下の記事を参照ください。
石田流の基礎知識 宮本流とは
「宮本流」とは、先手石田流▲7七角型 対 後手左美濃の戦いにおいて、左美濃に対して序盤早々玉頭攻めを狙っていく戦術です。▲3六歩+▲3七桂型からではなく、▲1七桂から▲2五桂を狙うのが大きな特徴です。
A級棋士の腕力
本局は第2図以下激戦が繰り広げられましたが、結果は三浦九段の勝利。
宮本新手を編み出した宮本五段相手に、臆することなく△2二玉型左美濃を選択した三浦九段。
相手がもっとも力を発揮する土俵上での貫禄の勝利には、さすがはA級棋士、戦型選択も終盤力も見事というほかありません。
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