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西田拓也五段の石田流組み換え 対 伊藤匠五段の居飛車持久戦

折田翔吾アマ、山本博志四段の三間飛車を下し2勝1敗に 棋士編入試験

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奨励会最終戦以来の再戦

2019年1月27日に行われた棋士編入試験第3局、▲山本博志四段 対 △折田翔吾アマ戦。

棋譜と詳しい解説は、将棋連盟ライブ中継アプリで観ることができます。

また、AbemaTVでもライブ中継されました。

折田アマが奨励会三段だったときの三段リーグ最終戦の相手は、この山本四段でした。2015年後期の奨励会三段リーグにて、すでに四段昇段の目が無くなっていたものの折田アマは全力を尽くしたのでしょう、山本奨励会三段(当時)に勝利し、そして奨励会を退会しました。

棋士編入試験の試験官に山本四段が入っていたのは、何かのめぐり合わせかもしれません。折田アマはもちろん、山本四段にとっても絶対に負けたくない一局だったでしょう。その気迫がひしひしと伝わってくる一局でした。

石田流組み換えVS左美濃

先手番となった山本博志四段の作戦は、もちろん三間飛車。山本四段の代名詞です。

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対する折田翔吾アマは持久戦を選択。山本四段の石田流組み換えの動きを見て、左美濃に形を決めてから動いていきました。

これぞまさに現代三間飛車VS居飛車持久戦の戦いで、山本四段はつい先週行われた第68期王座戦一次予選決勝、梶浦宏孝五段戦でも同様の戦術で戦っていました。

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三段リーグの続き

本局は、終盤戦に入ろうかというところで山本四段にミスがあり折田アマが優勢に。

しかしここからの山本四段のねばりが凄まじかったです。形勢が悪い将棋をあきらめず、決め手を与えずに延々と指し続けます。対する折田アマも長期戦をいとわず、慌てず騒がず絶対に負けない手を連発。

目の前の一勝を死に物狂いで獲りにいく、奨励会三段リーグの対局の一端を垣間見た気がします。いや、この棋士編入試験は三段リーグの延長線上にある、三段リーグの続きのようなものなのかもしれません(これまでの棋士編入試験受験者3名(瀬川晶司六段、今泉健司四段、折田アマ)はいずれも三段リーグ経験者)。

参考:評価値グラフ

Chart by Visualizer

※棋譜解析エンジン / 評価関数:
 YaneuraOu NNUE 4.88 / 振電改

次戦は本田奎五段

折田アマの棋士編入試験の次戦の相手は、本田奎五段。まもなく棋王戦五番勝負のタイトル戦に挑戦者としてのぞむことになっている、あまりにも強力な試験官です。

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残り2局のうち1勝すればプロ入りがかなう折田アマがどう戦うか、注目です。

ちなみに本田五段は相居飛車戦、とりわけ相掛かり戦法をめっぽう得意としていますが、実は対振り飛車の勝率は比較的高くないという一面も持ちます。もしかしたら折田アマのまさかの振り飛車の採用もあるかもしれません。

2月25日追記:折田アマ、相掛かりで本田五段に勝利しプロ入り決定

2月25日に行われた棋士編入試験第4局にて、折田アマが本田五段に勝利し、通算3勝1敗として最終局を待たずにプロ入りを決めました。おめでとうございます。

本田五段が得意とする相掛かりを避けることなく真っ向勝負を挑んでの勝利。勝っても負けても悔いの残らない戦型選択だったのでしょう。文句無しのプロ入りでした。

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