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二番絞り、WCSC32で準優勝
2022年5月に行われた第32回世界コンピュータ将棋選手権(WCSC32)にて、Hefeweizen開発チームは従来のNNUE系の「白ビール」とDeep Learning系の「二番絞り」の2チームに分かれて出場。白ビールは二次予選敗退となりましたが、二番絞りが準優勝に輝きました。おめでとうございます。
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もっとも、WCSC28で優勝して以来何度も準優勝に甘んじている状況には、嬉しいとか悔しいとかよりも苦笑いのほうがまさるかもしれません。
トーチカ囲い対策
将棋倶楽部24でのHefeweizenの将棋を一局紹介させていただきます(先日Twitterでも取り上げた一局です)。
先手がHefeweizen、後手はレーティング2900点台を誇る人類トップレベルの強豪です。
第1図は、△4四角〜△2二銀と後手がトーチカ囲い(ミレニアム)を匂わせてきた局面。△7四歩と突いてあるため先手は石田流に組み換えることはできません。
7筋と5筋からの揺さぶり
それに対し先手Hefeweizenは、5筋と4筋の歩を突いてから▲5九角とし、▲7五歩を見せます(第2図)。
△5三角と受けてきましたが、すばやく▲4七金から▲5八飛と5筋に振り直しました(第3図)。
丸い角の頭を狙うのは、将棋の鉄則です。
第3図の通り、たまらず後手は△4四歩と突いて△4三金と上がり角頭を守ってきました。△4三金型は、△4二金型ならびに△3二金型よりも玉がかなり薄い(△3一金の形とも相性が悪い)ため、こう組ませただけでもまずは先手がポイントを上げた格好と言えます。
続いて、後手が△5三銀と上がったのを見て今度は薄くなった7筋を狙って振り戻しました(第4図)。
マムシのと金攻め
少し進んで第5図。後手は袖飛車にし先手の攻めを受け止めようとしますが・・・
第5図以下の指し手
▲5五歩 △同 歩
▲7四歩 △同 銀
▲6四歩 △7五歩
▲同 銀! △同 銀
▲6三歩成 △7四飛
▲5三歩(第6図)
5筋の歩を突き捨てた後、相手の歩のいない6筋の歩突きが手筋。△同角には▲6五銀があります。
後手は△7五歩で局面を収めようとしますが、▲同銀!からと金を作ってさらに▲5三歩の垂らし(突き捨ての効果)で、先に銀損した分は取り戻せます。
ガジガジ流の攻め
終盤は以下のツイートを参照ください。後手の攻撃陣を大渋滞させたあと、飛車をさばいて小駒だけでのガジガジ流の攻めを炸裂させて勝利しました。
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