第3弾登場
「あぴまる流将棋定跡シリーズ 今日から捌ける三間飛車」の第3弾が発売になりました。
発売後1週間は通常500円のところが半額の250円となっています。5月23日ごろに発売になっていますが、セールがいつまでか厳密にはわからないので、興味のある方はお早めにどうぞ。5月26日時点でも将棋カテゴリで売上第1位になっており、大ヒットしています。
舟囲い&elmo囲い+斜め棒銀
第3弾のテーマは、ノーマル三間飛車vs.斜め棒銀です。従来からある船囲い+斜め棒銀と、elmo囲い+斜め棒銀を解説しています。全100問のうち、前半59問が対船囲い急戦、後半41問が対elmo囲い急戦です(後述の通り、対elmo囲い急戦は問題数が少ない代わりに解説が長め)。
すべて三間飛車側が後手なので、先手四間飛車とほぼ同じ感覚で読むことができます(四間飛車の場合、斜め棒銀に対し▲7八飛と寄る一手がほぼ必須であり、後手三間飛車と手数的に同じになるため)。
ちなみに三間飛車の棋書にはたいてい対斜め棒銀の定跡はわずかしか載っていないので、三間飛車の棋書しか持っていないと斜め棒銀の定跡はとても新鮮に映ります(「対振り飛車の大革命 エルモ囲い急戦」(村田顕弘六段 著)には対三間飛車も対四間飛車も載っていますが、船囲い急戦は載っていません)。
終盤まで踏み込む対船囲い急戦
ノーマル三間飛車 VS 舟囲い+斜め棒銀(第1図)の章は、もともと先手四間飛車VS後手舟囲い+斜め棒銀として定跡が深くまで確立していることもあり、詰むや詰まざるやの局面まで踏み込んだ問題もあるほど非常にレベルが高いです。
その中でも、ご本人の研究に加えコンピュータ将棋ソフトの解析結果で補っているのであろう新たな工夫が各所で見られ、参考になります。
貴重な対elmo囲い急戦解説
ノーマル三間飛車 VS elmo囲い+斜め棒銀(第2図)の章では、対船囲い急戦の場合との比較解説が随所に載っており、囲いの違いによってこうも三間飛車側の対応が異なるものかと感心させられます。例えば、第1図と第2図での三間飛車側の次の一手は異なります。
対elmo囲い急戦のほうは問題数が少ない代わりに解説が多く、対船囲い急戦が59問で69ページなのに対し、対elmo囲い急戦は41問で54ページです。まだ定跡が確立しておらず、変化の解説が長くなったり、上述の通り対船囲い急戦との比較解説があったりするためで、とてもていねいで級位者の方にもわかりやすいのではないでしょうか。
対△5一金型elmo囲いだけでなく、対△6一金型、対△6二金型も解説されています。
充実の三間飛車解説書
もうすぐ「さわやか流疾風三間飛車」(杉本和陽四段 著)が発売予定であり、elmo囲い急戦対策の解説が心待ちにされていますが、その前にうれしい良著の発売となりました。
「さわやか流」の方では▲4六歩〜▲4五歩と仕掛けてくる「▲4五歩早仕掛け」のほうがメインになるでしょうから、かぶることなくどちらの棋書も勉強になることでしょう。
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