定跡書・戦術書分野では3位
将棋情報局にて、2017年将棋書籍売上ランキング ベスト10が発表され、「これだけで勝てる 三間飛車のコツ」(大平武洋六段 著)が第9位に輝きました。
1位の「天才棋士降臨・藤井聡太 炎の七番勝負と連勝記録の衝撃」、2位、7位、8位の詰将棋集、3位、4位の次の一手集を除いた定跡書・戦術書にしぼれば、5位の「常識破りの新戦法 矢倉左美濃急戦 基本編」(斎藤慎太郎七段 著)、6位の「これで万全! 奇襲破り事典」(本間博六段 著)に次ぐ3番目です(なお10位は「堅陣で圧勝!対振り銀冠穴熊」(増田康宏四段 著))。
ノーマル三間飛車本の需要が集中か
藤井聡太四段の活躍の影響で、1位の本はもちろん、藤井四段が得意とする詰将棋の本、ならびに将棋入門者向けの棋書が大好評の1年だったようです。
定跡書・戦術書でいえば、「これで万全!奇襲破り辞典」も入門者・級位向けといえるでしょう。
一方で「矢倉左美濃急戦」(先手矢倉を壊滅に追い込んだ)と「対振り銀冠穴熊」(新手▲6六角(参考図)を初解説)は、コンピュータ将棋ソフト発祥の新手・新構想を初めて取り上げた棋書であり、定跡通や有段者のニーズに大いに応えたものでした。
そして「これだけで勝てる 三間飛車のコツ」はというと、入門者・級位者の需要が高かったためと考えられます。
さらに、売り上げが他の振り飛車本に比べ高かった理由としては、四間飛車、中飛車、石田流の定跡書は種類が豊富な一方、ノーマル三間飛車の定跡書は意外と数がしぼられ、「これだけで勝てる 三間飛車のコツ」に需要が集中したためではないでしょうか。
ノーマル三間飛車の戦術書として、最近でいえば他に「三間飛車新時代」(小倉久史七段、山本博志三段 著)がありますが、こちらは上級者向けと判断されたのかもしれません(とはいえ「三間飛車新時代」もものすごい勢いで売れたようです)。
2018年の三間飛車本
来年はどんな三間飛車本が発売されるでしょうか。
なお、アマチュア棋界からは「トマホーク戦法」でおなじみのタップダイスさんが三間飛車関連の電子書籍を執筆予定とのことで、期待しましょう。
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