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相振り飛車の基礎知識 三間飛車VS四間飛車とは

私的・棋書オールタイムベスト5

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記憶と思い入れで選ぶ、オールタイムベスト5

私の個人的な棋書オールタイムベスト5を紹介します。

いつか書きたいという思いがずっと頭の片隅にあったものの、「オールタイムベスト」なんてものは軽率に披露するものではないと考えてボツにし続けてきましたが、棋歴もウン十年と長くなりましたし、いったんこの2021年というタイミングで書き残しておきたいと思います。

今(2021年2月)の記憶と思い入れをもとに選んだランキングです。

第5位 三間飛車新時代

小倉 久史 (著), 山本 博志 (著) 発売日:2017/10/17

実は、順番はともかく上位4冊は鉄板級で決まっていた一方、第5位を何にするかは迷いました。ノーマル三間飛車の棋書が上位4冊に入っていないので、そこからの選出を優先し、最終的に選んだのが本書です。

二千ゼロ年代後半から2010年代前半の期間は、大手出版社から発売されたノーマル三間飛車の棋書はほとんどありませんでした(一方で石田流の棋書は数多くありました)。

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【2021年9月更新】ノーマル三間飛車の棋書、定跡書まとめ 序盤早々に▲6六歩(後手番ならば△4四歩)と角道を止める三間飛車、いわゆるノーマル三間飛車の棋書、定跡書をまとめました。2000年以降発売の棋書を対象として、ノーマル三間飛車本/居飛車側のノーマル三間飛車対策本ごとに、新しいものから順に載せています。

2010年代後半に入り、ノーマル三間飛車がプロ棋界でにわかに脚光を浴び始めたときにリリースされたのが、この「三間飛車新時代」です。

小倉久史七段と山本博志奨励会三段(出版当時)の共著による本書では、小倉七段による古き良き時代のノーマル三間の戦術と、山本奨励会三段によるトマホークや対銀冠地下鉄飛車などの革新的なノーマル三間の戦術が解説されており、時代の架け橋を記すとともに、三間飛車の新時代の到来を告げる一冊となっています。

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VS居飛車穴熊の基礎知識 トマホークとは 「トマホーク」とは、5筋の歩を突いてない居飛車穴熊を相手に、ノーマル三間飛車▲6七銀型から左銀と端桂の進出を軸に強襲を仕掛ける、超攻撃的戦法です。アマチュア棋界でタップダイスさんがトマホークを解説した電子書籍(「トマホーク解体新書」など)をリリースしたことが主なきっかけとなり、その名が広まりました。

2017年の夏ごろに「三間飛車のひとくちメモ」の更新を再開した私ですが、その後の更新継続の後押しにもなった一冊です。

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第4位 「最前線」シリーズ

深浦 康市 (著) 発売日:1999/4/1

深浦康市九段が、地球代表と呼ばれるはるか前にリリースした棋書です。

「これが最前線だ!-最新定跡完全ガイド(最強将棋塾)」(河出書房新社)、「最前線物語(最強将棋21)」「最前線物語2(最強将棋21)」(後半2冊は浅川書房。浅川書房は河出書房新社にいた浅川浩氏が設立した出版社)の3冊があります。

当時のプロの将棋が、戦型毎に凝縮して解説されています。「これが最前線だ!」のまえがきから一部引用させていただきます。

節目となった重要対局、タイトル戦などで指された有名な将棋などは極力取り上げたので、結果として、ここ10年くらいのささやかな「将棋戦法史」にもなったのではないかと思っている。主要な戦型もほぼ網羅した。したがって、本書を辞書として手元に置いてタイトル戦やテレビ将棋、観戦記などを見ていただければ、これまで以上にプロの将棋を楽しめるはずである。

(中略)

400字原稿用紙にして約300枚・図面約400図もの書き下ろしはもちろん初めてである。一つのテーマに費やした時間は最低でも6時間。この9カ月間ほど、対局に支障を来さない限り、自由な時間のほとんどを本書の執筆にあてたような気がする。

当時私は初手▲2六歩と指す時期があったほどの純粋居飛車党で、相居飛車も対振り飛車も全戦型を網羅して覚える必要があったことから、すみずみまで興味深く読めました。

とりわけ「これが最前線だ!」のテーマ15「ビッグ4をめぐる攻防 銀冠穴熊 対 振り飛車穴熊」の数ページは、普通の居飛車穴熊は性に合わず天守閣美濃や米長玉、そして銀冠を愛用していた私にとってお気に入りのテーマで、何度も繰り返し読んだ思い出があります。

第3位 藤森流中飛車左穴熊破り

2019年度の文春将棋「観る将アワード2019」で解説者賞を受賞した藤森哲也五段。今では将棋系Youtuberとしてもお馴染みです。

藤森五段は著書でも個性を発揮しており、そのうちのひとつがこの「藤森流中飛車左穴熊破り」。対中飛車左穴熊の様々な戦術にユニークな名前を付けて解説しています。中身は本格的です。

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相振り飛車の基礎知識 中飛車左穴熊とは 「中飛車左穴熊」とは、穴熊を右辺ではなく左辺に構える中飛車戦法です。「左」を付けない「中飛車穴熊」の場合、昔からよく知られている、穴熊を右辺に構える中飛車戦法を指すので、これと区別するため中飛車「左」穴熊と呼ばれています。

石田流三間飛車を指していると遭遇しやすい中飛車左穴熊。「対振り革命 中飛車左穴熊」(杉本昌隆七段(当時)著。中飛車左穴熊目線の解説書)が出て読んだときは、はたして石田流側はどう指してよいものか途方に暮れていましたが、その後この「藤森流中飛車左穴熊破り」を読んでからは自分のペースで戦えて全く苦にならなくなり、むしろカモになったと言えるくらいです。

本書で解説されている戦術のうちどれを私が愛用しているのかは、一応企業秘密としておきます。

何百年という歴史がありながら、今もなお新たな戦術が誕生している将棋。中飛車左穴熊という戦法の新規性もさることながら、相対する三間飛車(向かい飛車や袖飛車振り直しも)側の戦術のバリエーションの多さに、将棋の序盤戦における無限の可能性を感じることができます。将棋は神ゲーであることを痛感させてくれる一冊です。

第2位 最新戦法の話

勝又 清和 浅川書房 2007-04-01

将棋の主要戦法の成り立ちや経緯を、ロジカルに詳細に解説している、勝又清和六段(当時)執筆の一冊。観る将にオススメです。

中田功八段、藤井猛九段、近藤正和六段など、プロ棋士へのインタビューもたっぷりで(この3名がどの戦法の章でインタビューを受けているかは、わかる人にはすぐわかるでしょう)、戦法の魅力にどっぷり漬かることができます。

好きが高じて、十数年前ろくに英語もできないのに本書の英語翻訳プロジェクトに参加してしまったほどです(私は第3講「後手藤井システムの話」、第7講「石田流の話」、第8講「コーヤン流の話」、参考資料「藤井システム基本手順」の英訳を担当しました)。読み方が普通と違いますが、ここまで一字一句読み込んだ棋書は他にありません。

第1位 「石田流を指しこなす本」シリーズ

最後は指し将向け。ほぼ石田流とゴキゲン中飛車しか指さない戸辺誠六段(出版当時)による棋書で、「相振り飛車編」「急戦編」「持久戦と新しい動き」の3冊があります。読み込めば石田流三間飛車が香車一本分、いや角一枚分強くなる神本です。

おなじく戸辺六段執筆の「石田流の基本」シリーズ(「早石田と角交換型」「本組みと7七角型」の2冊)と比べて、次の一手形式なので取り組みやすいメリットがあります。相振り飛車編があるのも非常にポイントが高いです。

浅川書房の、最終ページまで進んだら本をひっくり返して読める形式は決して好きなわけではありませんが、ボリュームが2倍相当になる工夫を凝らしているのは評価できます。

ずーっと願い続けていること。

浅川書房さん、電子書籍版の棋書販売を始めてください。

番外編

原田泰夫九段の詰将棋シリーズ

第5位をこれにするかどうかは迷いました。

原田泰夫九段の詰将棋本は数多く出ています。一冊に200問も収録されており、実戦型の美しい問題ばかりです。

強い先輩に「かんたんな詰将棋をどんどん解いたほうがいい」とアドバイスを受けて繰り返し解いていたのが本シリーズです。4冊ほど購入し、それぞれ4周くらいはしていた記憶があります。

左美濃伝説


中学で将棋部に入り、将棋を始めた当初に購入した棋書のうちのひとつが本書です。

巻物風の表紙デザインで、文字通り中二病だった私はこれを本当に秘伝の書だと思いこみ、天守閣美濃を使えば最強になれると信じこんで(笑)、対振り飛車は相手が何間飛車だろうと天守閣美濃をしばらく採用し続けていた時期があります。

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VS持久戦の基礎知識 天守閣美濃とは 「天守閣美濃」とは、対振り飛車で用いられる、▲8七玉型の左美濃です。将棋の囲いは数あれど、三段目に玉を囲うのはこの天守閣美濃ただ一つではないでしょうか。玉が最も高い位置にいる美濃囲いであることから、天守閣美濃と呼ばれています。

「右玉伝説」、「雁木伝説」などの「伝説」シリーズも同じ柄ですが、本書の濃緑色が個人的に好きな色で、巻物風デザインにもベストマッチしています。シンプルさが今のミニマルデザインの風潮にもあっており、今見ても史上最高の表紙デザインだと思っています(中二病のときの熱い思い出が強すぎるのかも・・・)。

正直、本書の内容は濃くはありません(苦笑)。思い出9割で選出した一冊です。

悩んで決めたベスト5

書きたいことがいろいろと思い浮かんできて、なかなかまとめ切るのが難しかった本ランキング。

5冊+番外編2冊にまとめたところで意を決して投稿しましたが、気が向いたときにしれっと加筆してベスト10にするかもしれません(笑)。

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