目次
三間飛車党・石川優太四段による初の棋書
2021年4月に「攻める振り飛車 三間飛車トマホーク」が発売されます。
プロ棋士の棋書では、過去に「三間飛車新時代」(小倉久史七段と山本博志四段の共著)、「さわやか流疾風三間飛車」(杉本和陽四段 著)、「緩急自在の新戦法!三間飛車藤井システム」(佐藤和俊七段 著)などでトマホークが解説されていましたが、プロ棋士の棋書で一冊まるまるトマホークが解説されるのは今回が初めてです。
著者は、三間飛車を多用する若手振り飛車党の石川優太四段。
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昨日行われた第65回奨励会三段リーグ戦にて、石川優太三段と渡辺和史三段が四段に昇段しました。おめでとうございます。上記の「新四段誕生のお知らせ」の記事内にあるように、石川優太新四段の得意戦法は三間飛車だそうです。
石川四段は、つい先日(2021年4月6日)行われた叡王戦段位別予選(四段戦)でも、2局続けて三間飛車を採用していました(予選準決勝で出口若武五段に勝利したものの、続く予選決勝で井出隼平五段に敗れ、惜しくも本選出場ならず)。
本書の目次
目次は以下の通りです。
本書の目次
第1章 攻め重視の▲4五銀・▲1七桂型
第2章 玉頭銀を恐れない△8二飛待機型
第3章 工夫の▲6七銀・▲1七桂型
コラム1 三間飛車が楽しい
コラム2 将棋以外のこと
「コラム1 三間飛車が楽しい」では、冒頭に紹介した四段昇段時のインタビューに関連した内容になっていることでしょう。
▲4五銀・▲1七桂型
第1章の「▲4五銀・▲1七桂型」は、トマホークの王道の形です(参考1図)。
解説に最も多くのページ数が割かれているのではないでしょうか。
△8二飛待機型
第2章の「玉頭銀を恐れない△8二飛待機型」は、3四の歩を取らせて戦う居飛車戦術ということでしょうか。
過去の棋書で解説されたことがないかもしれず(読み返していないので確信はありません)、貴重な解説といえるでしょう。
▲6七銀・▲1七桂型
第3章の「工夫の▲6七銀・▲1七桂型」は、左銀の進出よりも右桂の跳ねを優先した形です(参考2図)。
最近ではアマチュアのしめりけさんによる「あぴまる流将棋定跡シリーズ 今日から捌ける三間飛車④:ノーマル三間飛車vs.5筋不突き穴熊 端桂作戦/基本編」と「応用編」で解説されていた形です(どちらも興味深く読ませていただきました)。
満を持してのプロの解説、といったところでしょうか。楽しみです。
マッスルトマホークも?
△1四歩型に対するいわゆる「マッスルトマホーク」(参考3図。二枚銀での攻めを重視するトマホーク。「さわやか流疾風三間飛車」や「将棋世界」2019年9月号の三間飛車特集の中で解説されています)もトマホークの戦術書には欠かせない形だと思いますが、目次をそのまま解釈した限りでは対象外のように見えます。
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はたして載っているかどうか、本書の発売を待ちたいと思います。
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