王座戦挑戦者決定戦
2020年8月3日に行われた第68期王座戦挑戦者決定戦、▲渡辺明二冠(棋王・王将) 対 △久保利明九段戦。
棋譜と詳しい解説は、将棋連盟ライブ中継アプリで観ることができます。
現代的な四間飛車の布陣に
後手となった久保九段は、端の位を早々に取り、7二に玉がいる形で玉頭の歩を突いていく現代的な四間飛車の布陣に構えました。
渡辺二冠がじっくり囲っていたら、△8一玉型に構える「振り飛車ミレニアム」か、△7二玉型のまま金無双から上部に発展していく「耀龍四間飛車」の布陣に発展していたかもしれません。
しかし実戦は渡辺二冠が端から早めに仕掛けていったため、それらの布陣には進みませんでした。
久保九段、競り合いを制し挑戦者に
本局は三間飛車ではなく四間飛車だったので、内容については特に触れません。難解な競り合いを制した久保九段が勝利し、王座戦挑戦者となりました。おめでとうございます。
本日はご声援いただきありがとうございました。
おかげさまでタイトル挑戦が叶いました。
Twitterを始めて皆様の声が凄く励みになりましたし、力になりました。
それにいつもどんな時も支えてくださる皆様、友人、知人、同級生、家族
全ての皆様に感謝をさせて下さい。
ありがとうございました。— 久保利明 (@toshiaki_kubo) August 3, 2020
振り飛車党の棋士がタイトル戦に登場するのは、2019年度末に行われた第68期王将戦七番勝負、久保利明王将 対 渡辺明棋王戦(肩書は当時)以来です。
参考:評価値グラフ
※棋譜解析エンジン / 評価関数:
YaneuraOu NNUE 4.89 / 振電改
久保九段 VS 永瀬二冠
挑戦者となった久保九段を待ち構えているのは、現在第5期叡王戦七番勝負の真っ最中の「軍曹」永瀬拓矢二冠(叡王・王座)です。
久保九段と永瀬二冠の過去の対戦数は意外に少なく、3局のみとなっています。
1局目は、まだ永瀬二冠が振り飛車党だった2014年に行われた第40期棋王戦挑戦者決定トーナメントでの一戦。先手・久保九段の中飛車VS後手・永瀬六段の三間飛車の相振り飛車戦で、永瀬六段の勝利。
2局目は、2019年2月に行われた竜王戦1組ランキング戦での一戦。先手・永瀬七段のトーチカ囲いVS後手・久保王将のノーマル四間飛車+ダイヤモンド美濃で、永瀬七段の勝利。
3局目は、2020年2月に行われた同じく竜王戦1組ランキング戦での一戦。先手・永瀬二冠の居飛車穴熊に後手・久保九段のノーマル三間飛車からの四間振り直し作戦で、久保九段の勝利という結果でした(以上、いずれも段位・肩書は当時)。
ちなみに、上記の通り三間飛車を採用した場合の勝率は100%となっています(これが言いたかっただけです)。
このふたりの対戦は、今なら間違いなく居飛車VS振り飛車の対抗系になることでしょう。
双方どんな作戦を採用してくるか、今から楽しみです。
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