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佐藤康光九段のロングインタビュー
将棋情報局に、「天衣無縫 佐藤康光勝局集」発売記念のロングインタビューが掲載されました。
第39回升田幸三賞を受賞した、第61期王将戦第1局の対久保利明王将戦での▲5七玉のエピソードや、第24期竜王戦1組の対木村一基八段戦での2手目△3二飛からの新手・4手目△4二銀(第1図)のエピソードなどなど、盛りだくさんの内容です。
佐藤康九段のファンでなくても十二分に楽しめる内容でしょう。
ノーマル三間飛車や石田流採用も?
インタビューの終盤で、佐藤康光九段は角道を止めるノーマル振り飛車や石田流について、以下のように語っています。
「本当は指してみたいのですが。藤井システムとか、升田式石田流とか。以前出した『佐藤康光の石田流破り』のまえがきでいずれ石田流を指したいと書いたのですが、まだ指せてません」
――なぜ指されないのでしょうか。
「いや~振り飛車党の方は辛口なので、何を言われるか分からないから……(苦笑)。最近は三間飛車藤井システムにも興味があって本は買ったのですが、買っただけになってしまっています。つんどくです」
ぜひともノーマル三間飛車や石田流を採用してほしいものです。
そして「緩急自在の新戦法!三間飛車藤井システム」を購入したというのが何とも興味深いところ。
佐藤康九段が三間飛車藤井システムを採用したら、新たな化学反応が起きそうな気がします。
余裕が出る前に
森内俊之九段は、フリークラスに転出したあとは自由な戦型選択が目立っているような気がします。本日行われた第12回朝日杯オープン戦・対千田翔太六段戦でも、ノーマル三間飛車を採用しています(第2図。結果は激しい終盤戦の末千日手)。
一方の佐藤康九段は、会長職に就きながらもなお順位戦A級の座を維持し、各棋戦で上位の成績を残しています。戦法の芸域を広げる余裕や気楽さは現状無さそうです。
心変わりする日を気長に待ちたい、と言いたいところですが、天衣無縫の構想力と大局観、そして驚異的な終盤力を保っている今のうちに、ノーマル振り飛車を指し始めてくれることを願っています。
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