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西田拓也五段の石田流組み換え 対 伊藤匠五段の居飛車持久戦

VS右四間かんたん講座 第3章・第2節 ▲9八角までの指し手 その3

右四間飛車
目次

本筋の△6五同銀

前回の第1図から▲6五同歩△同銀と進んでむかえた第1図。

【第1図は20手目△6五銀まで】
後手の持駒:歩 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v王v角 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 飛 銀 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=20 △6五銀まで

正着の前に、失敗例をいくつか説明します。

まず角交換せずに▲7七銀と上がってしまっては、さすがに先手凝り形です。解説も不要でしょう。

続いて、▲6七歩はあやまりすぎ。△8八角成▲同飛△7六銀(参考1図)で歩損となり、苦しそうです。

【参考1図は24手目△7六銀まで】
後手の持駒:角 歩二 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v王 ・ ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・v銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 飛 ・ 銀 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 
手数=24 △7六銀まで

最後に、「筋」っぽい▲6三歩ですが、この形ではうまくいきません。

第1図以下の指し手(その1)
▲6三歩  △9二飛!
▲2二角成 △同 銀
▲7七銀  △5二金左!
▲6八飛  △5四銀(参考2図)

【参考2図は28手目△5四銀まで】
後手の持駒:角 歩 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
|v飛 ・ ・ ・v金 ・v王v銀 ・|二
|v歩v歩v歩 歩v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v銀 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ 飛 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 
手数=28 △5四銀まで

まで居飛車良し。

手順中△9二飛のところ△6三同飛と取ってくれれば、▲2二角成△同銀▲8二角以下振り飛車良しですが、 本譜の△9二飛から△5二金左~△5四銀が力強い好着想です。参考2図となっては先手から暴れ倒す手段はなく、6三の歩を取られてしまいます。

角をさばいてから▲7七銀

第1図(△6五同銀の局面)から、正着は以下の通りです。

第1図以下の指し手(その2)
▲2二角成 △同 銀
▲7七銀  (第2図)

【第2図は23手目▲7七銀まで】
後手の持駒:角 歩 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v王v銀 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 飛 ・ 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩 
手数=23 ▲7七銀まで

先述の通り単に▲7七銀は凝り形でだめですので、振り飛車側から角交換してから▲7七銀とするのが正解手順です。

第2図から、後手の有力な指し手として以下の3つが挙げられます。(先に述べておきますと、後手の本筋は③△6六歩です。)

後手の有力な指し手
  1. △6六銀
  2. △6九角
  3. △6六歩

①△6六銀の変化

まず①△6六銀について解説します。

第2図以下の指し手(その1)
      △6六銀
▲同 銀  △同 飛
▲6八飛  (第3図)

【第3図は27手目▲6八飛まで】
後手の持駒:角 銀 歩 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v王v銀 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩v飛 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ 飛 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 銀 歩 
手数=27 ▲6八飛まで

△6六銀に対しては、あっさり▲同銀と取り、△同飛に▲6八飛とぶつけるのが正解。第3図以下の手順の一例は、下記の通りです。

第3図以下の指し手
      △6八同飛成
▲同 金  △6七歩
▲6九金! △8八飛
▲7八銀! △6八銀
▲8二飛  (第4図)

【第4図は35手目▲8二飛まで】
後手の持駒:角 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ 飛 ・ ・ ・ ・v王v銀 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・v歩 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・v飛 銀v銀 ・ ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩 
手数=35 ▲8二飛まで

まず、飛車交換は避けられません。

続いて△6七歩とたたいて後手は先手の金の態度を見ます。これを取ったり▲5八金と寄ると△8八飛などが厳しいため、▲6九金と引くのが好手。これならば、△8八飛に対して▲7八銀と打ち、相手の攻め駒を攻めにいくことができます。

最後に、強引に崩しにかかる△6八銀に対し、切り返しの▲8二飛で先手良し。以下△7二角▲6三角△7一金の飛車の捕獲には▲7二飛成△同金▲4一角成!△同玉▲6六角で飛車を取り返すのが最も明快な手順です。

手順を通して、先手陣の固さと安定感が伝わってきます。逆に後手は攻めさせられている感じです。

次回は、第2図以下②△6九角の変化について説明します。

次回

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