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西田拓也五段の石田流組み換え 対 伊藤匠五段の居飛車持久戦

VS右四間かんたん講座 第2章・第4節 VS超急戦 △6二飛型 その1

右四間飛車
目次

一手力をためる△6二飛型

この第4節では、初手から▲7六歩△3四歩▲6六歩△6四歩▲7八飛に、△6二飛(第1図)と一手力をためてから△6五歩を狙う指し方に対する対策を紹介します。

【第1図は6手目△6二飛まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v王v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 金 王 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=6 △6二飛まで

一手力をためるものの、後手は右銀を全く動かさずに飛車角だけで仕掛けるので、VS超急戦の分類に入れるのがふさわしいでしょう。

さてこの△6二飛型について、将棋倶楽部24で最強の三間飛車党といえる(注:2004年記)、o.kantaro七段が見事な指し回しを見せていたので、その実戦譜を紹介しながら解説していきたいと思います。対戦相手は超強豪六段の方です。

第1図以下の指し手
▲6八銀  △6五歩
▲同 歩  △同 飛
▲5八金左 (第2図)

【第2図は11手目▲5八金左まで】
後手の持駒:歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v王v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 飛 銀 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 王 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=11 ▲5八金左まで

自然な▲6八銀に対し、当然ともいえる△6五歩の仕掛け。ここで△7二銀などでは、先に6二に飛車を振った意味がありません。

歩交換後も、先手はなおも▲5八金左と自然な応接を見せます。

△6六歩か△6二飛か

第2図に進んでみてわかるように、後手には急な狙いはありません。△8八角成▲同飛と進めても先手陣に角打ちの隙はなく、むしろ後手の中段飛車が不安定な位置となります(以下飛車を引かずに△6六歩~△4五角のような一気の攻めは、▲7七桂(飛車当たり)~▲6五歩の筋で受かる)。

したがって後手としては、角交換を避けて①△6六歩(参考1図)と打ち、先手の左辺を窮屈にするか、またはじっと②△6二飛(参考2図)と引いて不安定な形を解消してから仕掛けてくるかの構想を選ぶことになります。

【参考1図は12手目△6六歩まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v王v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 飛 銀 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 王 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=12 △6六歩まで
【参考2図は12手目△6二飛まで】
後手の持駒:歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v王v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 飛 銀 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 王 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=12 △6二飛まで

次回は、まず①△6六歩について説明します。

次回

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