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竹内四段、猫だまし戦法(初手▲7八飛戦法)を採用
第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選、竹内雄悟四段 対 藤井聡太四段戦。
本局の棋譜と解説は、朝日杯将棋オープン中継サイトで観ることができます(2017年8月時点)。
公式戦3度目となる両者の対戦で、先手・竹内四段が猫だまし戦法(初手▲7八飛戦法)を採用しました。
そこから、猫だましらしい角道を止めない形のまま進んで第1図。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金 ・v金v銀v桂v香|一 | ・v飛 ・ ・ ・v王 ・v角 ・|二 |v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四 | ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 歩 角 歩 歩 歩 歩 歩 歩|七 | ・ ・ 飛 銀 金 ・ ・ ・ ・|八 | 香 桂 ・ ・ 王 金 銀 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 手数=9 ▲5八金まで
ここで藤井四段が△7七角成と指し、以下角交換向かい飛車穴熊 対 左美濃の戦いとなりました(第2図)。
後手の持駒:角 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・v金v王v桂v香|一 | ・v飛 ・ ・v金 ・v銀 ・ ・|二 |v歩 ・v歩 ・v歩v歩 ・ ・ ・|三 | ・ ・ ・v歩v銀 ・v歩v歩v歩|四 | ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 歩 銀 歩 歩 歩 歩 歩 歩|七 | ・ 飛 ・ ・ ・ 金 ・ 銀 香|八 | 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 王|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 手数=28 △2四歩まで
藤井四段は、速い決戦が起こりうる居飛車VS振り飛車の対抗形では、この△3一玉型左美濃をよく用いる傾向があるように思います。
第2図以下、▲8六歩から開戦します。
端の攻防
飛車の交換と打ち合い、そして中央での攻防のあと、端の攻防に移ります。
後手の持駒:角 銀 歩五 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・ 龍 ・ ・v桂v香|一 | ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・v金|二 |v歩 ・v歩 ・ ・ ・ 金v銀v王|三 | ・ ・ ・v歩 ・v歩v歩v歩 ・|四 | ・ ・ ・v馬 ・ 歩 ・v香v歩|五 | ・v龍 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六 | 歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩 歩 ・|七 | ・ ・ ・ ・ 桂 ・ 金 ・ 香|八 | ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 銀 桂 王|九 +---------------------------+ 先手の持駒:金 桂 手数=95 ▲1六歩まで
第3図以下、△1六同竜!▲2八金打!△1八竜!▲同金△1六香(図省略)と進行。力のこもった凄まじい応酬です。最後の△1六香は先手の歩切れを突いています。
ここからさらに50手近く玉頭戦が続いたすえ、146手で藤井四段の勝ちとなりました。個人的には、銀冠の端玉(本局では1三の位置)でのしのぎ方が非常に勉強になる一局でした。
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