居飛車VS振り飛車 対抗系の軌跡
現在「将棋世界」誌で連載中の短期集中講座、「勝又教授が帰ってきた!居飛車VS振り飛車 対抗系の軌跡」。その名の通り、勝又清和七段による講座です。
「私的・棋書オールタイムベスト5」で、第2位に勝又七段執筆の「最新戦法の話」(将棋世界2006年1月号〜10月号で連載された「これならわかる!勝又教授の最新戦法講義」を大幅に加筆・修正した棋書)を選んだほど、私は勝又七段の体系的にまとめられたロジカルな講座がお気に入りです。
現在連載中の「勝又教授が帰ってきた!居飛車VS振り飛車 対抗系の軌跡」は、「短期集中講座」のはずが、2020年7月号に始まり2021年2月現在も連載が続いています(2020年9月号は休載)。
2021年2月号までのサブタイトルは以下の通りです。
- 【急戦編】山田定跡からエルモ急戦まで
- 【持久戦編1】大山中原の時代から藤井システム誕生まで
- 【持久戦編2】居飛車穴熊の黎明期
- 【持久戦編3】なぜ藤井システムは居玉なのか?
- 【持久戦編4】藤井システム、竜王を奪取
- 【持久戦編5】居飛車の逆襲・後手藤井システム編
- 【持久戦編6】居飛車の対策・先手藤井システム編
そして、現在発売されている将棋世界最新号・2021年3月号では、三間飛車VS持久戦がテーマになっています。
振り飛車進化論・三間飛車編
2021年3月号での本講座のサブタイトルは、「【持久戦編7】振り飛車進化論・三間飛車編」。
旧来のノーマル三間飛車の時代から、石田流の時代を経てトマホークや三間飛車藤井システムといった新たな三間飛車の時代へ至った経緯を、実戦例を交えて解説しています。
また、最新の三間飛車に対する居飛車の戦術の変化(端歩のかけひきや、居飛車穴熊一辺倒ではなく左美濃との二段構えなど)を、2020年7月4日に対局が行われた▲藤井聡太七段 対 △羽生九段戦(段位は対局当時)などの実戦例を交えて解説しています。
佐藤和俊七段のインタビューも
講座の後半には、「三間飛車藤井システム」の生みの親である佐藤和俊七段へのインタビューが載っています。
勝又七段の講座は、このようにインタビューが豊富なのもグッドポイントのひとつです。
また、講座の最後では三間飛車VS居飛車急戦についても言及されています。
1回に内容を凝縮
次回の講座はまた四間飛車に戻るようなので残念ですが、今回の1回の講座を読めば、従来の三間飛車から最新の三間飛車までのトレンドの移り変わりを凝縮して把握できるとも言えますし、読んでおく価値は高いと思います。
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