将棋ウォーズのコレクション
派手な演出でおなじみの将棋アプリ、「将棋ウォーズ」。
決められた囲いや戦法の布陣を築いたり、手筋を放ったりすると、エフェクトが発動し、局後に「コレクション」としてマイページに追加されるのも楽しみのひとつです。
新戦法コレクション8種類追加
最近、そのうちの「新戦法コレクション」に新たに8種類が追加になりました。その8種類とは以下の通りです。
- 青野流
- 勇気流
- 居角左美濃急戦
- ツノ銀雁木
- 羽生式袖飛車
- 嬉野流
- 菅井流三間飛車
- トマホーク
定跡通の方ならひと目でわかる通り、青野流から羽生式袖飛車までは相居飛車系の将棋で現れる戦法で、嬉野流は初手▲6八銀?!(参考1図)で始まる奇襲戦法です。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金v王v金v銀v桂v香|一 | ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v角 ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩|七 | ・ 角 ・ 銀 ・ ・ ・ 飛 ・|八 | 香 桂 ・ 金 王 金 銀 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 手数=1 ▲6八銀まで
菅井流三間飛車とトマホーク
そして残るふたつが、「菅井流三間飛車」と「トマホーク」。言わずと知れた、三間飛車から派生する戦術です。
三間飛車は、振り飛車戦法の中で将棋ウォーズの戦法コレクションがこれまでも最も多い戦法でしたが、さらに他の振り飛車を突き放すことになりました。
菅井流三間飛車とトマホークについて、説明しておきます。
菅井流三間飛車
将棋ウォーズの「菅井流三間飛車」は、上記のYouTube動画の通り、俗に言う「うっかり三間飛車」(参考2図。「ゴキゲン三間飛車」などとも呼ばれています)の方ではなく、いわゆる「阪田流三間飛車」(第1図)の方を指しています。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金v王v金v銀v桂v香|一 | ・ ・ ・ ・ ・ ・v飛v角 ・|二 |v歩v歩v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七 | ・ 角 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八 | 香 桂 銀 金 王 金 銀 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 手数=6 △3二飛まで
後手の持駒:角 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金v王 ・v銀v桂v香|一 | ・ ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・ ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩v歩v金v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七 | ・ ・ ・ 王 ・ ・ ・ 飛 ・|八 | 香 桂 銀 金 ・ 金 銀 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 手数=10 △3二飛まで
コレクション獲得条件かは別として、以下のような手順で組み上げるのがこの戦法の基本です。
- △3三角+△3二金型で、▲3三角成に対し△同金と取る(いわゆる「阪田流」の構え)
- その後、△2二飛(阪田流向かい飛車)ではなく△3二飛!と回る

トマホーク
「トマホーク」(第2図)は、アマチュア三間飛車党のタップダイスさんが戦術書「トマホーク解体新書」などをリリースしたことが主なきっかけとなり、その優秀性がプロ棋士にも認められ採用されたことで、今やメジャーな戦法になりました。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v王|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀v香|二 |v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三 | ・v飛 ・ ・ ・ ・v歩v角 ・|四 | ・v歩 ・ 歩 ・ 銀 ・ 桂 歩|五 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 歩 角 ・ 歩 歩 歩 歩 ・|七 | ・ ・ 飛 ・ ・ 王 銀 ・ ・|八 | 香 桂 ・ 金 ・ 金 ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 手数=0 ▲6五歩まで
最近四段に昇段した山本博志奨励会三段(当時)と小倉久史七段共著の「三間飛車新時代」、そして先月発売され絶好調の売れ行きを見せている佐藤和俊六段執筆の「緩急時代の新戦法!三間飛車藤井システム」でも、トマホークが解説されています。
コレクション獲得条件かは別として、以下のような特徴を持った戦法です。
- 対5筋不突き居飛車穴熊用の作戦
- ▲4八玉型(または居玉)
- ▲5六銀から玉頭銀(▲4五銀)
- 端桂(▲1七桂)から▲2五桂
成立条件が比較的難しい戦法と言えます。

もっと増やせる?戦法コレクション
今回全部で8つの戦法が追加になりましたが、まだまだ登場していない戦法は山ほどあるはずです。
三間飛車に限っても、少し考えただけでも三間飛車藤井システム、下町流三間飛車、▲7七飛戦法などが挙げられます。
戦法だけでなく、囲いや手筋など、今後のコレクションの拡充も楽しみです。
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