最強レベルの振り飛車評価関数・振デレラ

シンデレラ コンピュータ将棋ソフト

「振電2」(仮称)が公開されない理由

2019年5月に行われた第29回世界コンピュータ将棋選手権(WCSC29)で第7位に入り、翌年5月に行われた世界コンピュータ将棋オンライン大会(WCSOC2020)で優勝を果たした水匠。

ハニーワッフル

WCSOC2020 水匠が優勝 HoneyWaffleは11位に

この水匠の開発者・たややんさんが開発した振り飛車評価関数が、「振電」および「振電改」です。

コンピュータ将棋ソフト

WCSC29第7位の水匠の兄弟、振り飛車党・振電登場

振電は水匠と、振電改は水匠改とほぼ同じタイミングでリリースされましたが、2019年12月に水匠改2がリリースされたときに、「振電改2」(仮称)はリリースされませんでした。

たややんさんが居飛車評価関数の作成に注力したかったというのが一番の理由でしょう(その甲斐あってのWCSOC2020優勝かもしれません)が、ほかの理由として、「振デレラが優秀だから」というのもあったかもしれません(2019年9月時点のツイートは以下の通り)。

2020年5月に水匠2がリリースされたときにも、「振電2」(仮称)はリリースされていません。

振電改と同等以上の強さを誇る振り飛車評価関数・振デレラ

「振デレラ(shinderella。ちなみにお姫様のほうのシンデレラのスペルは「Cinderella」です)」とは、WCSC29で5位、WCSOC2020で4位と常にトップクラスの成績を残しているコンピュータ将棋ソフト・Qhapaqの開発者、Ryoto Sawadaさんが2019年8月に公開した振り飛車評価関数です。

【shinderellaの面白さ】

orqhaやillqhaといった既存の評価関数に対して、人間の棋譜を転移学習させることで作成しています。教師局面数は10万弱であり、学習時間は約3分です。教師が少ないゆえか程よく過学習しており、中々に変態じみた将棋を指してくれるのが特徴です。

「Cute」(orqhaに対する転移学習)と「Cool」(illqha4に対する転移学習)の2つのタイプの振り飛車評価関数を、以下のページからダウンロードすることができます。

私は自然な振り飛車の指し手を良しとする振り飛車党ソフトを使いたい派なので、今でも振電改のほうを使用していますが、いわゆる「TAKESHI」評価関数(造語)を使用したい方は、振デレラを使用するのが良いのではないかと思います。

さらなるブレイクスルーはあるのか?

途中にも書いた通り、この振デレラが公開されたのは2019年8月。以来、これを超える振り飛車関数は公開されていないのではないかと思います。

実際には、より進化した居飛車評価関数ができれば、それを「振り飛車党」になるように追加学習することでTAKESHI評価関数が出来上がってしまうのでしょう。

しかしそれではあまり面白くありません。

同一環境下で、居飛車評価関数に並ぶか上回る振り飛車評価関数を生成できるような、ブレイクスルーが起きることを願っています(Honeywaffle開発者・渡辺光彦さんのように、新たな振り飛車定跡ファイルを開発する戦略もありです)。

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