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佐藤和俊六段、おなじみの三間飛車藤井システムへ
第67回NHK杯テレビ将棋トーナメント3回戦、豊島将之八段 対 佐藤和俊六段戦は、佐藤六段が後手になった時点で想定された通り、居飛車 対 三間飛車藤井システム(久保システム)の戦いとなりました(第1図)。
本局の棋譜は、NHK杯のサイトで観ることができます(2017年12月時点)。
前期のNHK杯にて、後手番でこの三間飛車藤井システムを駆使して準優勝した佐藤六段。
将棋の内容や対戦相手については下記記事を参照ください。
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2017年10月から来年3月までの半年間、NHK将棋フォーカスの講座の講師が佐藤和俊六段になります。聞き手は9月までと変わらず室谷由紀女流二段です。メインタイトルは、「カズトシ流 主導権をにぎる振り飛車」。そして10月のテーマが「後手番で緩急自在 三間飛車藤井システム」です。三間飛車党は必見でしょう。
今期、シード抜け後の初戦となった2回戦、宮田敦史六段戦では先手だったため、先手中飛車を採用して勝利。
そして続く本局にて、現在その勝ちっぷりからタイトル無冠ながら棋界最強との呼び声高い豊島八段相手に、三間飛車藤井システムをぶつけました。
銀冠 対 雁木
後手は△9三香から△9ニ飛と陽動居飛車にし、雁木に囲います(第2図)。
驚きの構想に見えますが、「NHK将棋講座テキスト2017年10月号」で解説されている、三間飛車藤井システムの狙いの布陣のひとつです。
NHK出版 日本放送協会 NHK出版 2017-09-16
序盤に隙がない豊島八段
三間飛車藤井システムの構えに対し、豊島八段は真っ向から居飛車穴熊を狙うのは危険と見たか、▲9八香と上がっているにもかかわらず美濃囲いにシフト。
そして第2図から、▲5五歩と突いて相手の角筋を何重にも止めたあと、突如右金を進出させて▲3五歩と仕掛けました(第3図)。
以下、素直に△3五同歩と応対すると攻めをつながれるため、後手は△4二角から△3三金。雁木でたまに現れる、力強い受けの手筋です。
しかし、後手陣を悪形したのに満足し、先手は一転して自陣に手を戻して銀冠へ(第4図)。
端攻めの憂いを減らし、玉を固めることに成功しました。
さらに第4図以下、△8四歩に▲7五歩!として今度は相手の攻撃陣を責めるB面攻撃へ転じ、無理攻めを誘発することに成功。
本当に隙のない序盤戦術です。
中盤、終盤にも隙がない豊島八段
以下の展開については、上述のNHK杯のサイトで棋譜を参照ください。
要約しておくと、相手に攻めさせ、息切れしたところを一気のカウンター。受けの手は最小限にとどめ、あっという間に寄せ切ってしまいました。
中・終盤戦も全く隙を見せず、快勝。強すぎます。
次週は藤井聡太四段 対 稲葉陽八段戦
ちなみに次週のNHK杯は、藤井聡太四段 対 稲葉陽八段戦。
今年春に名人戦の挑戦者となった(佐藤天彦名人に破れ奪取ならず)ほどの、A級棋士の中でもトップクラスの稲葉八段に対し、藤井聡太四段はどう挑むか。
大注目です。
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