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西田拓也五段の石田流組み換え 対 伊藤匠五段の居飛車持久戦

VS香落ち 相振り三間飛車穴熊

相三間飛車

この記事は、2004年に書いた記事に加筆修正を加えたものです。

目次

新春お好み将棋対局

NHK教育テレビで2004年1月に放送された新春お好み将棋対局、三浦弘行NHK杯選手権者 対 山田敦幹アマ名人の香落ち戦より。

上手を後手側として、初手から△3四歩▲7六歩△4四歩▲7五歩とスタートし、上手・三浦NHK杯の向かい飛車穴熊 対 下手・山田アマ名人の三間飛車穴熊の戦いとなりました(第1図)。

【第1図は32手目▲8六飛まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v王v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂 ・|一
|v香v銀v金 ・v金 ・ ・v飛 ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v銀v角 ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・v歩 ・|五
| ・ 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 ・ ・ ・ 金 金 銀 香|八
| 香 桂 銀 ・ ・ ・ ・ 桂 王|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=32 ▲8六飛まで

駒組みが終わった序盤の局面を見て感じたのは、「相手の端攻めを恐れる必要のない(左香落ちのため)振り穴は堅いなぁ」ということでした。

香落ち戦のセオリー

香落ち戦では、上手は左香がないので、居飛車系統よりも振り飛車系統の陣形を選ぶのが一般的とされています。

居飛車系統の陣形にすると、玉を囲うことになる側(上手から見て左辺)の香が欠けているので囲いが非常にもろくなってしまうからです。

それに対して下手側は、居飛車で端攻めをからめながら戦うのが一般的な香落ち定跡(参考図)。

【参考図は19手目△5二金まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v王 ・ ・v金v銀v飛 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 歩 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ ・|七
| ・ 角 王 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=19 △5二金まで

が、もちろん飛車を振っても一局です。

上手に追随して相振り飛車にし、さらに端攻めを食らうリスクが無いので第1図のように振り飛車穴熊に囲えば、相手の香落ちをとがめて堅陣を築いたという見方ができ、理にかなっているといえます。

香落ち戦をやる機会は自分にはありませんが、もし下手側を持ったら試してみたいと感じさせる山田アマ名人の構想でした。

なお上記対局は、山田アマに中盤大ポカが出てしまいあっけなく終了。

残念でしたが、面白い序中盤戦を見れただけで価値はあったなと思います。

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