第2回電竜戦TSECリハーサル
まもなく2021年8月15日に、電竜戦エキシビジョンマッチ・水匠 VS dlshogiが行われます。

その前に見ておくと面白いのが、7月に行われた第2回電竜戦TSECリハーサル座談会です。
Youtubeに動画が上がっています(6時間40分!)が、テキストに書き起こしたものもあり、個人的にはすばやく流し読みできる後者がオススメです。
電竜戦エキシビジョンマッチでも解説を務める阿部健治郎七段、「水匠」開発者のたややんさん、「ふかうら王」「WCSC31版やねうら王」開発者のミザーさん、「Hefeweizen」「白ビール」開発者の芝さんらによる座談会で、話題は多岐に渡ります。

ここでは振り飛車の話題について少し紹介します。
振り飛車の話題
振り飛車のトピックスは、例えば以下の通り(書き起こしのほうで「振り飛車」で検索すると比較的かんたんに見つけられます)。
- 振り飛車と相振り飛車の指定局面の話
- アマチュア棋界における振り飛車人気、振り飛車研究の話
- とりわけディープラーニング系ソフトが振り飛車を評価しない話
- 藤井システムっぽい振り飛車を指す「NNUEkaiXF」の話
- 新しい概念の振り飛車の開発の話
振り飛車の評価値
「とりわけディープラーニング系ソフトが振り飛車を評価しない話」は、今や有名な話で、飛車を振った瞬間評価値がマイナス500点くらいになります。
しかし、WCSC31でdlshogi with GCTは振り飛車ソフト・HoneyWaffleに敗れており、その評価値が妥当なのかはわかりません。
二次予選 4回戦 HoneyWaffle - dlshogi with GCT
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v玉|一 | ・v飛 ・v銀 ・v金 ・v金v香|二 |v歩 ・v歩v歩 ・v歩v角v銀 ・|三 | ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩v歩v歩|四 | ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | ・ ・ 歩 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|六 | 歩 歩 角 ・ 歩 銀 桂 ・ ・|七 | ・ ・ ・ 飛 ・ 玉 金 ・ ・|八 | 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 後手番 手数=39 ▲2五歩まで

藤井システムっぽい振り飛車を指す「NNUEkaiXF」の話
四間飛車対居飛車穴熊で、居飛穴に対し居玉のまま攻めかかる将棋AI(評価関数)「NNUEkaiXF」の話です。

「藤井システム(の棋譜)を勉強させたわけじゃない」というのが面白いところ。
将棋AIは、囲いをほどほどにチャンスがあれば攻めかかる傾向があるので、藤井システムっぽく指し回すのは自然ともいえます。
HoneyWaffle開発者の渡辺光彦さんも、美濃囲いに囲う自然な振り飛車を指させることにむしろ苦労している、と過去に発言しているのを見た記憶があります。
雑多な小話盛り沢山の座談会
コンピュータ将棋にまつわる様々なトピックスについて語られた座談会。プロ棋士の阿部健治郎七段が参加していることに価値があります。
興味ある方はご覧ください。
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