将棋連盟ライブ中継の「好局振り返り」
注目の対局がほぼ毎日ライブ中継されている、将棋連盟ライブ中継アプリ。
休日や祝日で対局がない日は、過去の対局が「好局振り返り」として対局者やプロ棋士の解説インタビュー付きで掲載されます。
この将棋連盟ライブ中継アプリで、2018年10月14日に好局振り返りとして取り上げられたのが、▲八代弥六段 対 △佐藤和俊六段の一局です。
佐藤六段の自戦解説付きで観ることができます。
居飛車穴熊VS三間飛車藤井システム
「定跡探検隊」というサブタイトル付きで取り上げられた本局は、2018年7月に行われた第77期順位戦C級2組での一局で、先手・八代六段の居飛車穴熊に対し、後手・佐藤六段がノーマル三間飛車から代名詞の三間飛車藤井システムで対抗しました(第1図)。
△7三桂型と△7三銀型が存在する三間飛車藤井システムですが、居飛車側の陣形に応じて使い分けられており、きちんと意味があることなどが解説されています。
後手陣はこの後、陽動居飛車に振り直してから雁木へ(第2図)。
元が三間飛車だったとは思えない布陣です。
最近のコンピュータ将棋ソフトの評価のおかげで、固い居飛穴に対しバランス重視の雁木に組んだ局面が意外にも互角の駒組みであることがわかったのが(振り飛車にとって)大きい、と佐藤六段はコメントしています。
本局はこの後も終盤まで三間飛車藤井システムの魅力が詰まった指し回しが続き、後手・佐藤六段の快勝となりました。
最新研究が披露されている「緩急自在の新戦法!三間飛車藤井システム」
2018年7月に行われたこの八代六段ー佐藤六段戦ですが、実は本局のことが、2018年9月に発売された「緩急自在の新戦法!三間飛車藤井システム」の講座編の中で言及されています。
出版間近の実戦を解説に組み込んでいるところに、佐藤六段が本書を校了直前までしっかり作り込んでいたことが伺い知れます。
飽くなき探求は続く
本日(2018年10月19日)の将棋連盟ライブ中継では、▲佐々木慎六段 対 △佐藤和俊六段戦が中継されており、佐藤六段が後手ノーマル四間飛車から意欲的な序盤戦術を見せていました。
#ShogiLive 佐々慎-佐藤和 32手 △8二銀 pic.twitter.com/0pEiUKHk2I
— Fireworks (@thirdfilerook) 2018年10月19日
終盤のねじり合いの末、惜しくも佐藤六段の敗戦となりましたが、飽くなき序盤の探求に引き続き注目し、応援していきたいと思います。
なお、相手の佐々木慎六段も初手▲7八飛を多用している振り飛車党。
さらなる活躍を期待しています。
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