「実戦の終盤力を鍛える!ランダム詰将棋1・3・5手詰」の予約・早期購入特典
「誰も言わなかった詰将棋用語集」のひとくちレビューをお送りします。
といっても、この棋書、というか冊子は現在販売されていません。マイナビの棋書販売ページでの「実戦の終盤力を鍛える!ランダム詰将棋1・3・5手詰」の予約・早期購入特典だったのですが、今年(2021年)5月に発売された棋書であり、すでに早期購入特典は締め切られています。
『1・3・5手ランダム詰将棋』を将棋情報局で予約購入した方に、特典PDF「誰も言わなかった詰将棋用語集」(著:馬屋原剛・會場健大)をプレゼント!表紙で紹介している単語のほかにも、禁じられた遊び手筋、モデルメイトなど凄そうな用語がたくさん!現在予約販売準備中ですので少々お待ちを✨ https://t.co/yRcVPCazhU pic.twitter.com/qt9m7jfYNC
— 将棋情報局編集部 (@mynavi_shogi) April 9, 2021
もっと早く紹介するつもりでしたが、忘れていました(苦笑)。
級位者向けのランダム詰将棋1・3・5手詰
メインの「実戦の終盤力を鍛える!ランダム詰将棋1・3・5手詰」についても少し紹介しておきます。
こちらは級位者向け(上述のマイナビの棋書販売ページでも「難易度:入門・初級」と書かれています)です。世の中には3手詰・5手詰でも難しい問題はありますが、本書で取り扱われている3・5手詰は文字通りのかんたんな問題が主だと感じます(中には盲点にハマってしまった問題もありましたが)。
少し難易度を上げる試みとして、1・3・5手のどれで詰むのかを明記していないのが本書の工夫。手数がわかっていると、初形からフィーリングで正解がわかってしまうことがありますが、それを予防し、しっかりと1or3or5手の「読み」を入れて解くことを読者に促す狙いがあります。
詰将棋好き≒詰将棋有段者向けの詰将棋用語集
一方の特典PDF「誰も言わなかった詰将棋用語集」のほうは、詰将棋好きや詰将棋マニア向けと言えると思います。この層は、詰将棋有段者、いやむしろ詰将棋高段者が多いでしょう。
なぜ「誰も言わなかった詰将棋用語集」を級位者向けの「ランダム詰将棋1・3・5手詰」の特典にしたのか。「ランダム詰将棋1・3・5手詰」は特に必要ないんだけどなぁ・・・。
私は「誰も言わなかった詰将棋用語集」目当てで本書を買ったのですが、この点はかなり抵抗がありました。
特殊な詰将棋用語が満載
「誰も言わなかった詰将棋用語集」は、2章構成となっています。
第1章は「用語」。25の用語が取り上げられており、それぞれ該当する詰将棋の事例を紹介しながら詳しく解説されています。
第2章は「手筋」。12の手筋が同様の形式で解説されています。第1章、第2章ともに読み応え十分です。
まだ製作途中ですが、やはり面白すぎるので中身を少しご紹介!(ルントラウフ・微分馬鋸・最小公倍数原理・酒井手筋)
これらは『1・3・5手 ランダム詰将棋』を将棋情報局で先行予約すると無料でついてくる特典PDF(全46ページ)です!まだ間に合いますのでどうぞ~😆https://t.co/BuDLrlHoN2 https://t.co/8luePd7rwu pic.twitter.com/AQB3widbSP— 将棋情報局編集部 (@mynavi_shogi) May 6, 2021
私はこのツイートに心を打たれて予約購入しました(繰り返しますが、なぜメインが「ランダム詰将棋1・3・5手詰」なのか・・・(苦笑)。特典だけでいいのに、という抵抗に打ち勝って購入)。
チェスプロブレムの用語から流用している用語が多いです。本書を読んでいると、詰将棋を深く、理屈っぽく楽しむことができるようになると思います。
詰将棋を解くときに少し役に立つかもしれませんが、詰将棋は千差万別でどの手筋があてはまるかを判断するのは難しいですし、手筋を活かせるようになるには時間がかかりそうです。
「解く詰将」から「観る詰将」へ
私自身の詰将棋との向き合い方は、「指し将」だった学生時代から変わらず、何十分も考え込んでしまう(それでも解けないこともある)ような詰将棋には端から取り組まず、平易な問題を解くことです(学生時代は簡単な問題を数多く解いていました)。
また、解けない(解かない)問題の解答を見るのはご法度、という思いがあります。
ただ、今回「誰も言わなかった詰将棋用語集」を読んで感じたのは、「解くことのこだわりをある程度捨てて、詰将棋を作品として楽しまないともったいないな」という点です。解ける問題だけを見ていては、詰め手筋を巧みに盛り込んだ高難度の詰将棋の世界に触れることができません。棋力が低下していく状況であればなおさらです。
とはいえ、解答を試みもしない問題の正解手順と解説を見ても、その意味や凄さを味わうことはできません。解答時間を「10分」などと決めて、それで解けないなら解答を見る、とするのがよいのか。この辺り、詰将棋通の方々に楽しみ方をうかがいたいところです。
本将棋における「指す将」「観る将」と照らし合わせて、さながら「解く詰将」から「観る詰将」へ、といったところでしょうか。
お蔵入りするにはもったいない用語集
詰将棋を深く楽しむことができるようになる、「誰も言わなかった詰将棋用語集」。
これが非売品になってしまったのはもったいないと思います。将棋世界の付録にするなど、何らかの形で再販するとよいのではないでしょうか。
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