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升田幸三賞受賞戦法
「新・石田流」とは、鈴木大介九段が考案した7手目▲7四歩(代表図)からの一連の新構想に付けられた呼び名です。
「鈴木新手」や「鈴木流急戦」とも呼ばれます。
新・石田流は、第32回(2005年)升田幸三賞に輝きました。
いきなり▲7四歩
代表図の7手目▲7四歩は、長い間(それこそ数十年の間)成立しないと考えられていました。なぜなら、代表図以下△7四同歩▲同飛に、△8八角成▲同飛△6五角(参考1図)、という切り返しが見えるからです。
しかし実際には、そこで▲5六角(第1図)と合わせれば先手も十分に戦えることがわかりました。
他にもいろいろな後手のカウンター手段がありますが、どの変化も先手十分に対応できると考えられています。(ただし、非常に難解です。)
関連棋書
新・石田流を解説する棋書としては、例えば以下の2冊が挙げられます。
2004年に鈴木九段が新・石田流の新手を披露した翌年(2005年)に、鈴木九段自身がリリースした新・石田流の解説書です。
2011年に鈴木九段がリリースした、さらなる新・石田流解説本です。
いずれの棋書も、新・石田流の解説だけでなく、居飛車側の様々な構想に対応できる石田流の戦術書となっています。
新・石田流を避ける後手
新・石田流が成立するとなると、先手にとっては7筋の歩を手持ちにすることができ、手を作りやすくなり、手詰まりになる心配も軽減されます。
この構想が優秀なため(ちなみに7手目▲7四歩でなく平凡に▲4八玉から升田式石田流を目指す構想も十分優秀です)、そもそも代表図の局面を避けようと代表図の前の△8五歩を突かずに先に△6二銀と上がったり、さらにさかのぼって4手目に△4二玉や△1四歩(第2図)とする後手番構想が増えたりもしました。
「飛車先を伸ばす」という序盤の当たり前の一手△8四歩および△8五歩を減少させてしまうほど、 新・石田流は将棋の序盤戦術に大きな影響を与えた、といえます。
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