将棋情報局の新たな試み・動画講座
2019年3月22日に発売が開始された、「振り飛車の新機軸!初手▲7八飛戦法」(門倉啓太五段 著)。
Amazonの棋書売上ランキングで1位を獲得しており、好調な売れ行きを見せています。
この棋書が、将棋情報局にて、通常の書籍版の他に面白い販売のされ方をしています。それが「動画(講座編)」です。
書籍の内容の基本部分を動画で大盤を使って説明しています。さらに書籍では掲載できなかった現在のプロ間で指されている▲7八飛戦法の最新形についても解説しています。
「将棋情報局内で閲覧できる動画の観賞権の販売」で、簡単に言ってしまうと、購入すると動画の置いてあるURLと視聴するためのパスワードを入手できます。詳しくは上記ページを参照ください。
今回の試みは将棋情報局として初めてのもので、ほぼ同時期に発売された「将棋 平成新手白書 居飛車編」(片上大輔七段 著)でも行われました。
マイナビ出版では今後もこのような動画コンテンツを配信していく予定です。宜しくお願いいたします。
「将棋 平成新手白書 居飛車編」https://t.co/yGppowVS0y
「振り飛車の新機軸! 初手▲7八飛戦法」https://t.co/GHSREbsVzZ
— 将棋情報局編集部 (@mynavi_shogi) 2019年3月22日
いずれも約40分の動画です。
将棋の初心者や級位者で、棋譜を見ても脳内将棋盤で再生できない方にとって、書籍版と比較してとてもわかりやすいと思います。
また、プロ棋士の先生の40分の解説動画が300円というのは、お手軽でお得なのではないでしょうか。
動画(講座編)ひとくちレビュー
AmazonでKindle版を購入するとともに、将棋情報局で動画(講座編)を購入して視聴しました。目次は以下の通りです。
(1)初手▲7八飛戦法とはどういう戦法か?
初手▲7八飛のメリット(2)▲7八飛戦法の理想の攻め
①▲8五桂ポン
②▲6六銀・5七角の形からの仕掛け(3)プロの初手▲7八飛事情
(1)が約6分、(2)が約24分、そして最後の(3)が約10分です。
要所をおさえた前半
(1)「初手▲7八飛とはどういう戦法か?」と(2)「▲7八飛戦法の理想の攻め」は、書籍版の要所をおさえた内容です。詳しくは書籍版で、ということですが、動画で要所をおさえておくとそのあと棋書を読んだときに理解しやすい気がします。
ちなみに(2)の①「▲8五桂ポン」とは角交換三間飛車の展開で向かい飛車に振り直した(第1図)後の戦術、②「▲6六銀・5七角の形からの仕掛け」とは初手▲7八飛戦法らしく角道オープン石田流(第2図)になったときの戦術のことです。
テーマ図にいたるまでの手順、およびテーマ図以下の狙いの代表的な手順がていねいに解説されています。
なお書籍版ではこの2つ以外にも「無理やり早石田(▲7七飛戦法)」(第3図)や相振り飛車など数多くの戦術を扱っています。
補足的な後半
(3)「プロの初手▲7八飛事情」は、書籍版に載っていない内容です。
序盤のテーマ図のひとつ(第4図)で、書籍版では▲4八玉のみ解説しているのですが、▲6八銀(これもプロの実戦でたびたひ現れている)を載せなかった理由を、動画版では▲6八銀以下の変化を並べながら解説しています。
なお、▲6八銀以下△7七角成に従来▲7七同桂が定跡でしたが、最近藤井猛九段が▲7七同銀!?の新手を披露しました。この序盤戦も紹介されています。
プロ棋士によっても考え方や棋風が異なるという、マニアックな一面が垣間見えて、面白い解説となっています。
ゴールドメンバーサービスも
将棋情報局では、動画販売の他に間もなくゴールドメンバーサービスも始まります。
6つの特典があり、お値打ち感を感じた方は入会してみると良いのではないでしょうか。
新たな試みに挑戦し続けている将棋情報局とマイナビ出版に、これからも注目していきたいと思います。
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