2手目△3二飛からの4手目△4二銀
棋界ニュースや棋書の紹介など、価値の高い情報をつぶやき続けている将棋情報局編集部Twitter。発売前の棋書をチラ見せしてくれたりもします。
その将棋情報局編集部Twitterが、佐藤康光九段が2手目△3二飛戦法からの4手目△4二銀(第1図)の新手を披露した一局を特別無料公開してくれています。太っ腹です。
2手目△3二飛戦法の4手目△4二銀は佐藤康光先生の新手法。この将棋、D△3三角に▲同角成△同銀▲6五角と打ちたくなりますが……
それには△7四角▲同角△同歩▲7五歩△7三玉!を読んでいたとのこと。▲7四歩△同玉!!こんな序盤に四段目に王様出て行く変化は1秒も読まないです…… pic.twitter.com/GCz13b1JlK— 将棋情報局編集部 (@mynavi_shogi) 2018年11月22日
本局は2011年5月20日に行われた竜王戦1組、▲木村一基八段(当時)対△佐藤康光九段戦で、結果的に後手の佐藤九段が勝利した一局です。
序盤のポイントは第2図で、本譜は以下▲4八銀△7二玉と穏やかに進みました。
上記つぶやきにある通り、もし木村八段が第2図から▲3三同角成△同銀▲6五角と進めていたら、△7四角▲同角△同歩▲7五歩△7三玉!▲7四歩△同玉!!(参考図)を読んでいたとのことで、まさにへんた・・・天衣無縫流です。
「天衣無縫 佐藤康光勝局集」発売記念
この特別無料公開は、佐藤九段の新著「天衣無縫 佐藤康光勝局集」の発売を記念したものです。
あなたのベスト康光将棋を教えてください!
1000勝を達成した広瀬章人八段戦以前のものでしたら『天衣無縫 佐藤康光勝局集』に掲載されているかもしれません!!
天衣無縫 佐藤康光勝局集【トレカ+棋譜ファイル付き】|将棋情報局 #将棋情報局 https://t.co/ucHyUEklfc— 将棋情報局編集部 (@mynavi_shogi) 2018年11月20日
今のところ締め切られていないので、佐藤康九段のこれぞ!という一局が思い浮かぶ方は、コメント付きリツイートしてみると良いでしょう。
ノマ三からの三段ロケット
私が佐藤康光九段のベストバウトを一局選ぶとして真っ先に思い浮かんだのが、2002年に行われた第51期王将戦七番勝負第1局、▲羽生善治王将 対 △佐藤康光九段戦。
佐藤九段がノーマル三間飛車・真部流のような布陣から、(振り飛車から見て)左辺の攻めを軽くいなし、終盤、飛車・香・香の三段ロケットで快勝した一局です。
これぞ天衣無縫流。一度はこのような将棋で勝利してみたいものです。
力戦が強くなる佐藤康光勝局集
現在将棋連盟会長職に就きながらも好成績を残し続け、将棋世界 2018年11月号でのダイレクト向かい飛車の解説も絶好調の佐藤康九段。
キャリア前半の緻密流時代よりも、キャリア中盤以降の、「羽生善治」というスーパースターとの戦いに活路を見出すべくスタイルチェンジした天衣無縫流時代の方が見どころ満載といえるでしょう。
アマチュアが純粋に真似をするのは難しいですが、棋譜を並べれば間違いなく力戦に強くなるのではないでしょうか。