山本博志四段、クリスマスにデビュー戦
2018年12月25日、山本博志新四段が第45期棋王戦予選でプロ入り後の初戦を迎えました。
なお2年前のクリスマスイブ(12月24日)には藤井聡太四段(当時)が加藤一二三九段とデビュー戦を戦っており、秋にプロ入りが決まったプロ棋士の先生方がこの時期にデビュー戦を迎えるのはさほど変わったことではありません。
棋譜と詳しい解説は、将棋連盟ライブ中継アプリで観ることができます。
気合のこもった初手▲7八飛
先手番となった山本四段の初手は、▲7八飛。記念すべき初戦で先手番をにぎり、最も指したかったであろう初手を指せたのは気分が良かったでしょうし、気合が入ったことでしょう。
相手は高田尚平七段。対振り飛車の左玉戦法の著書「高田流新感覚振り飛車破り」などで知られるオールラウンダーで、高田流左玉が見られるかと思いましたが、結果的にベーシックな向かい飛車を選択し、普通の相振り飛車戦になりました(第1図)。
快勝
第1図以下、高田七段は△4五歩。玉を囲う前に角交換を迫る、大胆な一手です。しかし以降の展開を見るに、やりすぎだったのかもしれません。山本四段は角交換から▲7四歩(取ると▲5五角の狙い)とし、以下大駒と左桂だけで手を作り、そのまま自玉の美濃囲いが手付かずのまま勝利してしまいました。
12月26日追記:感想戦コメント追加
対局後、上述の棋譜中継に、感想戦のコメントが追記されました。また投了図のコメント欄に、一局を振り返った山本四段のインタビューが追記されました。やはり先手番を引き初手▲7八飛を指せたのはとてもうれしかったとのこと。後手番ならば2手目△3二飛を準備していたそうです。
さらに山本四段がTwitterで一局を振り返ってつぶやいてくれています。一方的に見えて実は難しい変化が潜んでいたようです。
デビュー戦の棋王戦高田七段戦 ご観戦ありがとうございました。
結果は幸いしましたが途中高田先生に受け止められそうな場面あり難しい将棋でした。▲88歩△69馬▲55角は捻り出した順で代えて▲34飛△43玉の展開は攻めが細いと思いました。
△44桂が敗着で代えて△35歩ならまだ分からない将棋でした。— 山本 博志 (@yamahiro3ken) 2018年12月25日
(追記ここまで)
最高のクリスマスプレゼント
月並みですが、クリスマスでのデビュー戦勝利は、山本四段にとって最高のクリスマスプレゼントとなったことでしょう。それはアマチュア三間飛車党にとっても同様です。
棋王戦予選の次戦の相手は丸山忠久九段。さっそく羽生世代の超強豪との対局を迎えましたが、アマチュアファンがまだ知らない、山本四段らしさを発揮した好局を期待したいと思います。
山本四段のインタビュー記事
なお本日、日本将棋連盟のWebサイトに山本四段のインタビュー記事(前編)が掲載されました。こちらも必見です。
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