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西田拓也五段の石田流組み換え 対 伊藤匠五段の居飛車持久戦

VS右四間かんたん講座 第3章・第3節 ▲9八角以下の構想 その1

右四間飛車
目次

本筋の△4五角から▲9八角

この第3章・第3節では、第2節 その5の第2図以下、本筋の△4五角(第1図)と打ってきた場合の先手の構想について説明していきます。

【第1図は26手目△4五角まで】
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v王v銀 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・v銀 ・v角 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ 飛 金 ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩 
手数=26 △4五角まで

これに対しては、▲9八角(第2図)と打つのが習いある手筋です。

【第2図は27手目▲9八角まで】
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v王v銀 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・v銀 ・v角 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| 角 ・ ・ 飛 金 ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=27 ▲9八角まで

▲9八角はこの時点では非常に窮屈ですが、十数手後に世に出していくことが可能です。実はよく見ると、9八の角は遠くの後手玉をにらんでいることにもご注目。

第2図から、後手の指し手としては以下の3つが考えられます。

後手の選択肢
  1. △6七歩成
  2. △7四歩
  3. △3五歩(本筋)

この他の手は、この忙しい局面では優先度の低い手であり、先手としてはこの後もたびたび出てくる▲8六歩と指しておけば、より十分に戦えます。

①△6七歩成の変化

ではまず①△6七歩成の変化(第3図)を説明します。

【第3図は28手目△6七歩成まで】
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v王v銀 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・v銀 ・v角 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀vと 歩 歩 歩 歩 歩|七
| 角 ・ ・ 飛 金 ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=28 △6七とまで

①△6七歩成は、先ほど打った歩をすぐに成り捨てる順であり、意外に盲点といえると思います。しかし先手は落ち着いて対応すれば大丈夫です。

第3図以下の指し手
▲6七同金 △同角成
▲同 飛  △6六金
▲6九飛  (第4図)

【第4図は33手目▲6九飛まで】
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v王v銀 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩v金 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| 角 ・ ・ ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ 飛 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩二 
手数=33 ▲6九飛まで

忙しい後手

一瞬ハッとする△6七歩成から△6六金(打たないと▲6六歩で局面が落ち着いてしまう)のゴリ押し攻めですが、相手にせず▲6九飛と引いた局面を眺めれば、後手が忙しいのがわかると思います。

第4図以下、後手が放っておけばもちろん▲6三歩△同飛▲6四歩△同飛▲7五角があります。△7七金ならば▲同桂が6五の銀に当たり、後手は目も当てられない状態。△5七金ならばやはり▲6三歩△同飛▲6四歩△同飛▲7五角(第5図)です。

【第5図は39手目▲7五角まで】
後手の持駒:歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v王v銀 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ 角v銀 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 ・v金 歩 歩 歩 歩|七
| 角 ・ ・ ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ 飛 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=39 ▲7五角まで

途中どこで△6八歩とたたかれても、▲5九飛が5七の金当たりで逆効果です。

次回は、②△7四歩の変化について説明します。

次回

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