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西田拓也五段の石田流組み換え 対 伊藤匠五段の居飛車持久戦

VS右四間かんたん講座 第3章・第2節 ▲9八角までの指し手 その2

右四間飛車
目次

後手、仕掛ける

第1図は、前回の第1図から△6五歩と突いたところです。

【第1図は18手目△6五歩まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v王v角 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v銀 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 飛 銀 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=18 △6五歩まで

相手の攻めは飛・角・銀。こちらの左辺はいかにも立ち遅れており、早くもつぶされそうですが、そんなことはありません。

まず、▲6五同歩は絶対。△6六歩と取り込まれつつ歩損していては、さすがに先手必敗形です。

▲6五同歩に対し、後手には△8八角成と角交換をしてから△6五銀と出る手段と、単に△6五同銀とする手段の2つが挙げられます。

△8八角成の変化

まず、変化が短く明快な前者(△8八角成)から解説します。

第1図以下の指し手(その1)
▲6五同歩 △8八角成
▲同 飛  △6五銀
▲7七銀! △6六歩
▲6八歩  (第2図)

【第2図は25手目▲6八歩まで】
後手の持駒:角 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v王 ・ ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 飛 ・ 歩 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 
手数=25 ▲6八歩まで

常套手段・▲7七銀

手順中の▲7七銀が、対右四間・▲6八銀型の常套手段。

以下△6六銀には▲同銀△同飛▲7七角△6九飛成に角成りを急がず(急いでも先手良し?)▲6八飛が冷静なさばきで先手良し。または▲7七角のところ単に▲6八飛のぶつけでも先手良さそうです。

あわせて読みたい
VS右四間 華麗なるさばきの手筋 ▲Super megutan六段VS△某六段戦より。先手石田流VS後手右四間飛車△7二金型。石田流といっても、対右四間急戦の場合は飛車を浮く余裕はなく、本譜のように▲7八飛のまま戦いが始まるのが一般的です。級位者クラスの対戦だと、居飛車が一方的に攻め込んで圧勝してしまいそうな局面ですが・・・

これに似た変化は後にも解説します。

進んで△6六歩には▲6八飛もありますが、後手が角交換を入れたため手順に飛車が8八に移動できたことを活かし、▲6八歩とする手順を以下に紹介します。あるいはこちらのほうが明快に先手良しといえるかもしれません。

第2図以下の指し手
      △4二銀
▲8六歩  △3三銀
▲8五歩  △8二飛
▲7五歩  △4二金
▲8六飛  (第3図)

【第3図は33手目▲8六飛まで】
後手の持駒:角 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v金v王 ・ ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩v銀v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ 歩 歩v銀 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ 飛 ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ 銀 ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ 歩 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 
手数=33 ▲8六飛まで

8筋が先手の主張

先手陣は非常にのびのびとした形です。後手は角を手放さないと6六の歩取りが受かりません。

この第2図から第3図までの手順は先手出来すぎかもしれませんが、第2図以下後手が非常に動きにくいのは確かです。飛車を浮こうものなら▲8二角があり、△7二金では玉の囲いが弱体化する上に先手からの8筋の歩交換は防げません。8筋の歩が切れると、先手の飛車がまさに縦横無尽に働きます。

次回は、第1図からの▲6五同歩に対し単に△6五同銀とする変化について解説します。後手としてはこちらが本筋です。

次回

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