MENU
西田拓也五段の石田流組み換え 対 伊藤匠五段の居飛車持久戦

VS右四間かんたん講座 第3章・第2節 ▲9八角までの指し手 その1

右四間飛車
目次

妙手▲9八角にいたるまでの攻防

第3章・第2節以降では、基本形(第1図)からの攻防を見ていきます。

【第1図は17手目▲3八銀まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v王v角 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩v銀 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 飛 銀 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=17 ▲3八銀まで

1つの節にまとめてしまうと長すぎるため、クライマックスの局面といえる妙手▲9八角(参考1図)までを第2節としました。

【参考1図は27手目▲9八角まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v王v銀 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・v銀 ・v角 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| 角 ・ ・ 飛 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=27 ▲9八角まで

第1図からの後手の指し方として、△3三角(参考2図)として後手が右四間穴熊を目指す変化も当然存在します。が、この「VS持久戦」編については本講座では割愛します。

【参考2図は18手目△3三角まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v王 ・ ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩v銀 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 飛 銀 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=18 △3三角まで

△5二金右には速攻

後手が急戦でくる場合の次の一手は、△6五歩。これが本筋です。

△5二金右としてから△6五歩としたくなりますが、△5二金右の瞬間、後手の右辺が薄くなったところを先手はとがめることができます。

第1図以下の指し手
      △5二金
▲7五歩  △6五歩
▲7四歩! △同 歩
▲同 飛  △7三歩
▲7六飛  △6六歩
▲8六飛! (第2図)

【第2図は27手目▲8六飛まで】
後手の持駒:歩 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛v金 ・v王v角 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v銀 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ 飛 ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 ・ 銀 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=27 ▲8六飛まで

7筋歩交換から飛車を8筋へ

▲7五歩と7筋に争点を作りにいくのが急所です。これに対し△6五歩には強く▲7四歩が成立します。△6六歩と取り込まれても、先手の陣形が低いので脅威ではなく、▲7三歩成で先手良しです。

そこで△7四同歩と取りますが、▲同飛に対し、▲7一飛成と成り込まれるのを防ぐため△7三歩と打たねばならないのが、 △5二金右とした形の泣きどころです。

そして△6六歩の取り込みに対し▲8六飛!がまた好手。以下△8二飛には▲7二歩!があります。金が6一にいれば、△7二金で簡単に受かるのですが。先手の手順は、うまく△5二金右をとがめた構想といえます。なお△6六歩のところ△6六角には▲7七銀△4四角としてから▲8六飛で十分です。

elmo囲い右四間も登場

第1図以下、2018年に入ってからはelmo囲いの流行に合わせてelmo囲い右四間飛車も指されるようになってきました(参考3図)。

【参考3図は24手目△6五歩まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・v金v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・v銀v王v角 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・v銀 ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ 歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 銀 歩 歩 歩 歩 ・|七
| ・ 角 飛 ・ 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=24 △6五歩まで

△5二金右の代わりに△4二銀〜△3一金であれば、自陣に隙を作らずに2手で囲いが引き締まります。さらに、▲2二角成に対し△同金!という秘手も選択肢に加わります。これは2019年2月に行われた第32期竜王戦6組ランキング戦、▲西田拓也四段 対 △本田奎四段戦で登場した新手です。詳しくは将棋世界の最新号「将棋世界 2019年6月号」の付録「新手年鑑 2019年版」を参照ください。

このノーマル三間飛車対elmo囲い右四間飛車は要注目の戦型ですが、残念ながらこの講座では割愛して先を急ぎます。

次回からは第1図以下本筋の△6五歩について説明していきます。

次回

講座の目次に戻る

関連記事

あわせて読みたい
「対振り飛車の大革命 エルモ囲い急戦」2019年4月発売 2019年4月に、elmo囲い(▲6八銀+▲7九金型船囲い)急戦を専門に解説した戦術書「対振り飛車の大革命 エルモ囲い急戦」が発売になることがわかりました。著者は村田顕弘六段です。
あわせて読みたい
本田四段、超急戦棒銀で永瀬七段の三間飛車藤井システムを破り金星 棋王戦 2019年5月1日、令和元年の初日に行われた第45期棋王戦予選、▲本田奎四段 対 △永瀬拓矢七段戦。先手番となった居飛車党の本田四段は初手▲2六歩で居飛車を明示。それに対し後手番・永瀬七段は、4手目△4四歩からしばらく態度を保留したあと、三間飛車に構えました。
この記事を気に入ったらシェアしよう
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次