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変則三間飛車からの角交換向かい飛車
第58期王位戦第3局。
菅井七段は、三たび変則的な三間飛車(第1図)からの角交換向かい飛車の作戦をとります。
第1局との違いは、9筋の端歩の突き合いがあるかないかの違いだけです。
インターネット将棋やスマホアプリの将棋であれば、クリックミスだと笑ってしまいそうな第1図の△3二飛ですが、正真正銘プロの将棋、それもタイトル戦の一局です。
はじめは非常に驚きましたが、早くも目が慣れてきました。
通常の角交換振り飛車と比べ、左銀が直接4二に進めるのが利点といえるでしょう。
筋違い角
対する羽生三冠が本局で採用した作戦は、筋違い角(第2図)。
結果的に羽生三冠の快勝でした。
対ゴキゲン中飛車の丸山ワクチンの中でもたびたび現れる筋違い角で、例えば「最強アマの即戦力戦法 ~スズメ刺しから丸山ワクチンまで~」の中で、7八から打つ筋違い角が詳しく紹介されています。
なおこの棋書の中で、著者の中川慧梧氏も嫌がる振り飛車側の新手を披露しているのが、他でもない菅井七段。
(第3図。丸山ワクチンからの1変化で、図の△4四角が、居飛車側の駒組みを制限するとともに2筋を抑え込む好手。詳しくは書籍を参照ください。)
さらなる新構想に期待
新手メーカーの菅井七段のこと、本局の序盤を不本意と考えているならば、さらなる新手や新構想を披露してくるに違いありません。
王位戦の今後の展開が楽しみです。
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