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五段時代の貴重な一局
第68期王将戦、南芳一九段 対 藤井聡太五段戦。
棋譜と詳しい解説は、将棋連盟ライブ中継アプリで観ることができます。
既報の通り、藤井五段は2018年2月17日に行われた朝日杯将棋オープン戦準決勝で羽生善治竜王、決勝で広瀬章人八段に勝利し優勝したたため、五段時代を無敗のまま、わずか16日で六段に昇段してしまいました。
本局は、2018年2月5日に行われた、藤井五段昇段後の初戦になります。
南九段のノーマル石田流
南九段はタイトルを7期獲得した実績のある古豪です。
本局は南九段のノーマル三間飛車+美濃囲いに対し、藤井五段は居飛車穴熊を選択。
それを見て南九段は角を引いて石田流へ。居飛車穴熊に対し、ノーマル三間飛車から石田流にスムーズに組み替えることができるのが、四間飛車にはない三間飛車の特権のひとつです。
本譜はこのあと、中盤の折衝で南九段が相手陣への上手いタイミングのタレ歩からペースをつかみ、優勢となります。
その後も南九段は丁寧な指し回しで居飛車の攻めを封じ続けます。穴熊に対して単純に攻め合ってはいけません。
振り飛車党にとって非常に参考になる、見事な手順でした。
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居飛車穴熊の実戦的な勝ちやすさ
一時は、駒の損得は無いながらも南九段の二枚飛車、藤井五段の二枚角となり、局面がスッキリして居飛車穴熊の姿焼きがすわ完成か、という局面もありました。
しかしそこから藤井五段は端攻めだけで手を作り、地蔵流として知られる南九段のミスを誘い、逆転勝ち。総手数230手におよぶ大熱戦でした。
藤井五段の強さの要素はもちろん大きいですが、それ以外にも、居飛車穴熊の実戦的な勝ちやすさをまざまざと見せつけられたと感じた振り飛車党も少なくなかったのではないでしょうか。
居飛車穴熊に対して振り飛車は苦労が絶えません。
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