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△3五歩をとがめる
前回の第2図から△6二銀としてむかえた本節第1図。
この△6二銀のところ、△4二玉や角交換が入っても、先手の狙いは同様です。
△3五歩をとがめにいきます。
第1図以下の指し手
▲7六飛 △6四歩
▲7四歩 △7二金
▲7八金 △4二玉
▲7三歩成 △同 銀
▲7五飛 (第2図)
3五の歩のタダ取りを狙う
後手の△3五歩をとがめる。
それは、具体的には3五の歩のタダ取りを狙うことです。
いったん▲7六飛と浮き、いつでも▲7八金と上がれる形にします。
この形は升田式石田流でおなじみの陣形であり、本譜では8八の地点にひもを付ける意味合いもあります。
続く△7二金や△6四歩等の後手側の構想は一例であり、▲7四歩に対し△同歩と取ってきた場合でも、▲同飛から▲7五飛と引き、本譜と同様3五の歩を取りにいく構想で面白いでしょう。
ただし▲7八金の形でないときに▲3五飛を狙うと、△8八角成▲同銀から△4四角でしびれます。
▲7八金型であれば、8八銀にひもを付けると同時に、8筋も完璧に守ることができます。
第2図となっては、後手は3筋の歩を守るには角交換から△4四(2四)角打しかありませんが、相手にだけ持ち角を手放してもらえば以下先手十分な駒組み戦を進められるでしょう。
タイトル戦で現れた、△3五歩をとがめる作戦
なお、2018年3月に行われた第67期王将戦七番勝負第5局・▲久保利明王将 対 △豊島将之八段戦で、後手の早めの△3五歩をとがめにいった相振り飛車戦が現れました。
この将棋は初手▲7八飛ではなく、角道オープン四間飛車の出だしではありますが、△3五歩をとがめにいく構想が参考になるのではないかと思います。
棋譜と詳しい解説は、王将戦Webサイトで観ることができます(2018年7月時点)。
毎日新聞
王将戦 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/oshosen/
以上でVS陽動居飛車型の解説を終わります。
次回からは、第5節・VS向かい飛車型に入ります。
次回
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