プロアマ戦
2019年7月27日に行われた第5期叡王戦段位別予選四段戦、▲山本博志四段 対 △鈴木肇アマ戦。
本局の棋譜は、叡王戦のWebサイトで観ることができます。
元奨励会三段の鈴木肇アマは、桐山隆アマ竜王、森村賢平アマ王将、小山怜央赤旗名人、そして鈴木肇アマ名人の4人で争われたアマチュア代表決定戦を勝ち抜いて、叡王戦の四段戦予選に登場となりました。
対する山本四段は、このブログではもはや説明不要でしょうが、昨年秋にプロ四段に昇段した三間飛車党の先生です。
角交換三間飛車からの向かい飛車
先手番となった山本四段の初手は、やはり▲7八飛。以下しばらく角道オープンのまま駒組みが進みました(第1図)。
後手番の鈴木アマは、ここで△7七同角成と角交換を決行。以下▲7七同銀から8筋に飛車を振り直す展開となりました。
縦横無尽?の筋違い角
25手目、チャンスとみた山本四段が▲4五角と筋違い角を放ちます。
以下この角は▲3四角と後手の玉頭の歩を歩を取った後、2五→4七→2五→6一(角成)→4三→5四→4五と盤上を動き回り、斜めの動きなのでふさわしい表現かはわかりませんが、縦横無尽の活躍を見せました。
角交換型エルモ囲い
対する鈴木アマは、山本四段の角が3四→2五→4七と動き回っている辺りで△4二銀から△3一金と今流行りのエルモ囲いに構えました。
エルモ囲いは角交換しないノーマル振り飛車に対してよく採用されている印象がありますが、最近では角交換型に対しても場合によっては有力と見られているようです。
山本四段、エルモ囲いを攻略し快勝
終盤、山本四段は4五の地点で馬を見捨て、取られている間にエルモ囲いの要である3一の金の捕獲に成功。
以下飛車も切り飛ばしてさばき、獲得した金銀を活用して攻め切り、快勝しました。
今日の対局は勝ちでした。ご観戦頂いた皆様ありがとうございました。終始難しいと感じていましたが勝ちやすかったようです。
はじめさんとの対局との事で気合入っていて、良かったです。
実ははじめ合宿を手伝わせて頂く事になりました。対局終わったら言いましょう。とはじめさんと話していました。— 山本 博志 (@yamahiro3ken) July 27, 2019
山本博志先生との叡王戦見て下さった方ありがとうございました。
若手棋士に最近の感覚を取り入れて頑張ろうと思い うまく指せたかな…と思っていたのですが感覚が悪かったんですかね
振り飛車の心を教わったので
最近の将棋についていけてなくて勉強不足なので、感覚を手に入れられるように頑張ります— 鈴木肇 (@hajjme99) July 27, 2019
「昨日の敵は今日の友」とばかりに、山本四段は鈴木アマが開催する「はじめ将棋合宿」のお手伝いをするそうです。素晴らしい合宿になることをお祈りします。
参考:評価値グラフ
※棋譜解析エンジン / 評価関数:
YaneuraOu NNUE 4.88 / 振電改
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