世界将棋AI 電竜戦
2020年11月21~22日に、第1回「世界将棋AI 電竜戦」が行われます。
例年秋にあったドワンゴ社主催の電王トーナメントが昨年で終了となり、代わりにCSA(コンピュータ将棋協会)の有志の方々によりオンライン開催されることになったのが本大会です。
春に行われている世界コンピュータ将棋大会(WCSC。今年はコロナの影響により「世界コンピュータ将棋オンライン大会(WCSOC)」という名称でオンラインで開催)と比較して、オンライン開催がデフォルトであることと、人間の参加が可能であることが大きな特徴です。
愛好家による将棋の発展なくしてコンピュータ将棋の発展はありえない。 また、コンピュータ将棋の定跡や指し回しはプロ棋士のみならず多くの将棋愛好家にも取り入れられている。 衆人環視の待ったなしの真剣勝負を行うことでコンピュータ側にも人間側にも新たな発見があるのではないかと考えた。 故に本大会ではコンピュータと人間が真剣に勝負することで新たな将棋の進化を期待している。
TAKESHI賞
今回この第1回電竜戦にて、もっとも好成績の振り飛車党(振り飛車評価関数、振り飛車定跡)に与えられる「TAKESHI賞」を提供させていだくことになりました。
TAKESHI賞
2万円
もっとも好成績の振り飛車党に与えらえます。
選者は三間飛車のひとくちメモ様です。
「TAKESHI」の名前の由来ですが、「最高水準の」という意味を持つ「SOTA」(State Of The Art。最年少記録を次々と塗り替えている藤井聡太二冠の名前と偶然同じ呼び名)に対抗して、最も優れた振り飛車党を評してコンピュータ将棋界隈で使われるようになった造語です。振り飛車党の盟主の一人である藤井猛九段の名前から来ています。当て字も発明されています。
なお、TAKESHIとは、
The Art of King Evalute-function for Swinging HIsha(最善の振り飛車評価関数技術)のことであることは周知の事実でありましょう。— たややん@水匠(COM将棋) (@tayayan_ts) May 11, 2019
なお、この「TAKESHI」という言葉の今後の独占的な使用を主張することはありません。瞬間的なネタとして楽しんでいただけたらと思います。
TAKESHI賞の選出基準は・・・
TAKESHI賞は、電竜戦実行委員の方と相談した結果、私が選出することになりました。
定量的な採点基準は考えてあり、それをここで公開するべく長々と書き上げてあったのですが、厳密に決めてしまうと観戦者の方々の「この振り飛車ソフトは強かったよね」「このソフトが受賞すべきだよね」という感覚に沿わない選出結果になる可能性があるので、公開は止めることにしました。
平たく言えば、たくさん振り飛車を指して(必ずしも全局振り飛車でなくても良いと考えています)、たくさん勝ったチームが受賞です。
この「たくさん」の定量的な規定と、振り飛車採用ポイントと勝利ポイントの重み付けを自分の中で決定していたわけですが、これはあくまでも目安としたいと思います。
対抗系や相振り飛車戦が増えることを願って
今回、TAKESHI賞提供の申し出が大会開幕の約1週間前と、あまりにも遅すぎました。これではプログラマの皆さんが作戦変更の検討を行う余地はほぼないでしょう。
次回同様のチャンスがあったら、そのときはもっと早く申し出たいと考えています。
少しでも居飛車VS振り飛車の対抗系や相振り飛車の対局が増えることを願いつつ、第1回電竜戦が滞りなく開催されることを祈念しております。
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