目次
楠本誠二氏発案の石田流
「楠本式石田流」とは、アマ強豪の楠本誠二氏が発案した石田流です。
組み上がるまでに手数がかかるので、対居飛車穴熊専用の布陣といえるでしょう。
ポイントは以下の2点。
B面攻撃
ここでいう「B面攻撃」とは、角の攻撃対象のことを指しています。
普通石田流の角の位置は、石田流本組みのように▲9七角型か、▲7七角型。相手の玉の方をにらむ角筋がメインとなります。
しかし楠本式石田流では、飛車の方をにらみます。例えば一例として第1図。
▲5九角型の時点でなにやら狙いがありそうですが、その通り。第1図から▲3六歩〜▲3七角(第2図)と進めます。
これで相手の飛車や9一の香を狙います。
端玉
もうひとつのポイントは、端玉。
第2図から少し進んだ第3図の通り、▲1八玉型にします。
狙いは、あらかじめ戦場から逃げておく、ということと、将来的に馬を作ってその馬を2八に引き返すスペースを作っておく、という遠大な構想です。
なお、端歩(▲1六歩)を突くとむしろ端玉を狙われて逆効果になってしまうので、端歩は突きません。
受け重視の方にオススメ
B面攻撃を狙ってじっくり戦う戦術のため、受け重視の方にオススメです。うまくいけば「穴熊の姿焼き」で勝利することができるでしょう。
なお、単純に▲3七角・▲1八玉型を目指せばよい、というわけではなく、第1図にいたるまでに石田流側は工夫をしています。例えば、早めに▲5六銀と上がる、などです。詳しくは「真・石田伝説」などを参照ください。
関連記事、関連棋書
あわせて読みたい
【2021年1月更新】石田流の基礎知識、定跡まとめ
石田流の基礎知識、定跡をまとめました。角道クローズ型(▲6六歩型)、角道オープン型(角交換型)、居飛車側の石田流対策の3つに分類しています。また、それぞれ詳細記事へのリンクも載せています。
コメント