WCSC30、COVID-19の影響で中止に
2020年5月3日から5日の3日間、川崎市産業振興会館での開催が予定されていた第30回世界コンピュータ将棋選手権(以下「WCSC30」)が、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で中止になり、代わりに5月3日から4日の2日間、「世界コンピュータ将棋オンライン大会」が開催されることになりました。
第30回世界コンピュータ将棋選手権 開催中止のお知らせ (2020/4/7)
このたび、緊急事態宣言が発令されたことを踏まえ、残念ながらCSA理事会は、今回の選手権の開催を中止することを決定いたしました。延期やオンライン開催の予定は ございません。
しかし、1年間の成果を披露したい方、プログラムの実力を試したい方が多い状況を考慮して、5月3,4日に、 選手権の申込をされていた方を対象に、オンラインで 「世界コンピュータ将棋オンライン大会」を実施することといたしました。
開発者の方々が一堂に会し、人間的な熱さを見せることで大会が盛り上がるものだと思うので、すべてがオンラインになっては「味消し」でしょう。
いわゆる「オフ会」は技術交流の場でもあるので、その場が無いとなるとその後の技術革新が生まれにくくなるデメリットもあります。
対局数の少ない世界コンピュータ将棋オンライン大会
WCSC30に代わって開催されるのが、世界コンピュータ将棋オンライン大会。
コンピュータ同士の対局であり、オンライン開催と相性が良いのは間違いないですが、上記のような理由で「WCSC30なら参加するが世界コンピュータ将棋オンライン大会なら参加しない」と参加を辞退するチームも出てくるかもしれません。
実際、4/18時点でWCSC29優勝のやねうら王チームは参加申し込みをしていないようです。
ただ、やねうら王以外の上位陣のほとんどは参加申し込みをしているのが救いです。
開催日程は3日間ではなく2日間になり、振り飛車党将棋ソフト「HoneyWaffle」の開発者・渡辺光彦さんによると、対局数は各ソフト1日6局になるとのこと。
参加予定は全部で40チームで、前回選手権の上位12チームは2日目からの登場。1日目にそれ以外の28チームが対戦し、その上位16チームは2日目にも出場できるということです。1日目2日目ともに1日6局の予定です。
注目の場で披露されるコンピュータ将棋ソフトの対局数が減ってしまうのは残念な限り。振り飛車党ソフトの棋譜もたくさん見たいところでした。
運営の滞りない進行を祈念
余談ですが、WCSC30のWebサイトトップには4月28日時点で、WCSC30が中止になり代わりに世界コンピュータ将棋オンライン大会が開催されることが何も書かれていないように見えます。
このままだと事前にWebサイトを見に行った人が誤解をしてしまうので、一刻も早く修正されることを期待したいところです。
そして初の試みとなる世界コンピュータ将棋オンライン大会の当日の運営が、滞りなく進行することを願っています。
追記:WCSOC2020開催、水匠優勝
2020年5月3、4日に世界コンピュータ将棋オンライン大会(WCSOC2020)が無事開催され、水匠が優勝、Hefeweizenが準優勝という結果となりました。
(追記ここまで)
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