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「島ノート」が発祥
「3・4・3戦法」とは、「島ノート 振り飛車編」(島 朗九段 著)のP120から数ページに渡り紹介されている、石田流三間飛車の一種です(代表図)。後手番でどうしても石田流に組みたい「石田流LOVE」な方ならば、ぜひとも知っておきたい構想だと思います。
【第3図は6手目△4二飛まで】
まず最初にまとめておくと、「3・4・3」それぞれの数字は、以下の指し手から取ったものです。
POINT
- 最初の「3」・・・△「3」五歩
- 「4」・・・△「4」二飛
- 最後の「3」・・・△「3」二飛
続いて、それぞれの詳細を説明していきます。
最初の「3」
まず初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△3五歩(第1図)と、さっそく石田流三間飛車の構想を見せます。
この△「3」五歩が、最初の「3」です。
これに対し、5手目▲4八銀ならば、3・4・3戦法を用いることなく直接△3二飛と振って、石田流に組むことができます。角交換からの▲6五角には、△3四角の反撃があるからです。
「4」
しかし5手目▲6八玉(第2図)に対しては、△3二飛とするのは危険とされています。
△3二飛以下今度こそ▲2二角成△同銀▲6五角とされるからです。▲6八玉が良く利いており、上記の△3四角の反撃が無効です。
そこで現れたのが、第2図以下△3二飛でなく、途中下車の△4二飛(第3図)。
この4筋への飛車の転換が、「4」に当たります。
これならば、角交換からの▲6五角はありません(4三の地点に飛車の利きがあるので)。
一手損ですが、以下のような利点があります。
POINT
- 無用な乱戦を避けながら石田流に組める
- 角道止め(△4四歩)を保留できる
また、居飛車側が対石田流を意識し時期尚早に▲4六歩を突こうものならば、四間飛車のまま△4四歩〜△4五歩といったさばきを狙うこともできます。
最後の「3」
そして形を保留したまま、美濃囲いが完成した時点(△7二玉とし、8三の地点をケアしたタイミングでも構いません)で、 満を持しての△3二飛(第4図。先手陣は一例)。
これが、最後の「3」です。
以上で、「3・4・3戦法」の構想、および名前の由来についての説明を終わります。
より詳しく知りたい方は島ノートをご覧ください。
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