目次
人気の相振り向かい飛車
相振り飛車戦において、最近(2004年記)は向かい飛車が特に優秀な戦法として取り上げられることが多いようです。それに呼応するかのように、現在では後手番も向かい飛車に追随する「相向かい飛車」が流行しています。
とはいえ、相振り飛車戦における三間飛車が、不優秀な戦法として消滅してしまったわけでは当然ありません(将来のことはわかりませんが)。先手向かい飛車VS後手三間飛車も依然として指されています。
優秀な▲5七銀型三間飛車
三間飛車側の優秀な布陣の1つとして挙げられるのが、「△5三銀(▲5七銀)型」です。
一般的には「先手」向かい飛車VS「後手」三間飛車なのに対し、猫だまし戦法VS向かい飛車では先後が逆となり、通常の定跡よりも三間飛車側が一手多く指せるので、不満のない序盤戦を演じることができます。
では、その序盤戦を説明していきます。
初手からの指し手
▲7八飛 △3四歩
▲4八玉 △3三角(第1図)
▲3八玉 △2二飛
▲7六歩 △4四歩(第2図)
△3三角(第1図)が、向かい飛車の構想を示す一手。
第2図の△4四歩のところ、後手としては角道を止めずに戦うのもあるかと思います。例えば△4四歩の代わりに△4二銀。以下先手は角交換を挑むかどうか。例えば角交換をしなかった場合は、先後ともに5筋に銀を持ってくる、などが考えられます。
いずれにしても本譜とは別の展開になり、それらの変化については割愛します。
第2図以下の指し手
▲6八銀 △4二銀
▲7五歩 △8二銀
▲5八金左 △4三銀
▲5六歩 (第3図)
この「▲5六歩」が、▲5七銀型三間飛車への入り口です。
▲6六歩と突いて角道を止めるタイプの三間飛車については割愛します。
第3図以下の指し手
△2四歩
▲5七銀 △6二玉
▲4六歩 (第4図)
▲5六歩~▲5七銀に続く「▲4六歩」が、▲5七銀型とのバランスを考えた、有力な駒組みとなります。
次回に続きます。
次回
次回
猫だまし戦法講座 第4章・第5節 対2手目△3四歩・VS向かい飛車型 その2
前回の第4図から、後手が△2五歩と突いてむかえた第1図。5筋の位を取ります。一見伸びすぎで、△5四歩から位を奪回されそうですが、8八にいる角の支えがあるので大丈夫です。
2005年10月追記
現在ならば、第1図以下▲3八玉ではなく▲3八銀として美濃囲いまたは矢倉を目指す構想のほうが良いとされるかもしれません。
これを書いていた2003年頃までは、金無双に囲うのが主流とは言わないまでも、相振り飛車の棋書では依然として金無双も多く紹介されていました。
その2以降の解説も、お互いの囲いが現代感覚とは違うかもしれませんが、ご了承ください。
2008年11月追記
時代は流れ、現在では、第1図以下▲3八玉とし、第2図以下▲2八玉~▲1八香~▲1九玉と一目散に穴熊に組みに行くのが流行しています。
以下の展開は、先後は異なります(三間飛車側が後手)が、「相振り革命最先端」(マイコミ将棋ブックス)第5章「▲6七銀保留向かい飛車」に載っていますのでそちらを参照下さい。
2018年7月追記
さらに時は流れ、今や三間飛車は相振り飛車戦で最も人気が高い振り飛車となっています。初手から▲7六歩△3四歩▲6六歩に、喜んで△3二飛(第5図)と回るプロ棋士が多数いるほどです。
過去に自分が書いた文章を読むと滑稽にすら感じますが、数年後にはまたどうなっているかわかりません。
書き直したくなるのをグッとこらえ、なるべく過去に書いた文章には手を加えずに残したいと思います。
講座の目次に戻る
コメント