「対振り飛車の大革命 エルモ囲い急戦」2019年4月発売

エルモ囲い
VS急戦&右四間

elmo囲い専門の棋書発売

2019年4月に、elmo囲い(▲6八銀+▲7九金型船囲い)急戦(参考1図)を専門に解説した戦術書「対振り飛車の大革命 エルモ囲い急戦」が発売になることがわかりました。

【参考1図は▲5九金まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v王v銀 ・v金v銀v飛 ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 王 銀 ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 金 ・ 金 ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=0 ▲5九金まで

著者は村田顕弘六段です。

これまでにも、一部でelmo囲いを解説した棋書はありました。「必勝 三間飛車破り」(畠山鎮七段 著。居飛車穴熊も解説)や「自由自在!中飛車の新常識」(今泉健司四段 著。左穴熊や相振り飛車も解説)です。

本

「必勝 三間飛車破り」2019年1月発売 居飛穴とエルモ囲い急戦を解説

2018年12月16日

しかし、elmo囲い専門となると本書がはじめてです。

なお「自由自在!中飛車の新常識」(2019年11月発売)の方は中飛車左穴熊ならぬ中飛車左玉+elmo囲いの組み合わせ(参考2図)ですが、「elmo囲い」とは呼んでいません。執筆当時はまだ呼び名が流行していなかったためでしょう。

【参考2図は▲7八玉まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・v金 ・ ・v香|一
| ・ ・ ・v王 ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v銀v桂v歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・v歩|四
| 歩 ・ ・ ・ 歩v歩v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 飛 ・ ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 歩 ・|七
| ・ 角 王 銀 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 金 ・ ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=0 ▲7八玉まで

右四間飛車とも相性は良いが

「対振り飛車の大革命 エルモ囲い急戦」というタイトルからもわかる通り、本書ではすべてelmo囲いに急戦を組み合わせた戦術を解説しています。

elmo囲いは上述の中飛車左穴熊だけでなく右四間飛車と組み合わせても相性が良く、少し前(2018年7月)にはプロ棋界でのelmo囲いの先駆者と言える大橋貴洸四段が第3回YAMADAチャレンジ杯・対△渡辺正和五段戦で採用(参考3図)。

【参考3図は23手目▲7九金まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v王v銀 ・v金 ・v飛v角 ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩v銀 ・v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 銀 歩 ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩 歩 ・|七
| ・ 角 王 銀 ・ 飛 ・ ・ ・|八
| 香 桂 金 ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=23 ▲7九金まで

また最近(2019年2月)では三間飛車党・山本博志四段と同期にプロ入りした本田奎四段が第32期竜王戦第6組・対▲西田拓也四段戦で採用しています(参考4図。▲7五歩は▲7四歩の仕掛けや石田流への変化を見せたもの)。

【参考4図は24手目△6五歩まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・v金v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・v銀v王v角 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・v銀 ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ 歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 銀 歩 歩 歩 歩 ・|七
| ・ 角 飛 ・ 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=24 △6五歩まで

オーソドックスな急戦がメインか

しかし、おそらく本書で解説しているのは飛車先を▲2五歩と突き越すオーソドックスな居飛車急戦のみではないでしょうか。また、おそらく振り飛車側は角道を止めるノーマル三間飛車とノーマル四間飛車でしょう。

なぜなら、分量的にそれらの組み合わせだけで1冊の戦術書ができてしまうはずだからです。

対三間飛車は▲4六歩〜▲4五歩の早仕掛け(参考5図)、対四間飛車は▲5七銀右〜▲4六銀の斜め棒銀(参考6図)が多く解説されているのではないでしょうか。

【参考5図は▲4五歩まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v王v銀 ・ ・ ・v飛 ・ ・|二
| ・v歩v歩v金 ・v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ ・|七
| ・ 角 王 銀 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 金 ・ 金 ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=0 ▲4五歩まで
【参考6図は▲3五歩まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v王v銀 ・v金 ・v飛 ・ ・|二
| ・v歩v歩 ・ ・v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・|七
| ・ 角 王 銀 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 金 ・ 金 ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=0 ▲3五歩まで

推測で書いているのは、まだ目次が公開されていないからで、わかり次第追記・修正予定です。

2019年4月追記:振り飛車穴熊対策も

将棋情報局とAmazonの販売ページに、目次と立ち読みページが追加されました。

▲2五歩と突き越すオーソドックスな急戦のみが解説されるだろうという予想は当たりました。予想外だったのが、対三間飛車穴熊、対四間飛車穴熊のelmo囲い急戦も解説されることです(第1図)。

【第1図は△8二銀まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v王v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
|v香v銀 ・ ・ ・v銀v飛 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 王 銀 ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 金 ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=0 △8二銀まで

また、対先手三間飛車、対先手四間飛車の後手番elmo囲い急戦の解説と、実戦編も掲載されています。狭く深くというより、広く浅く解説した棋書になっているようです。

目次は以下の通りです。

序章 エルモ囲いとは?
エルモ囲い概要
第1章 エルモ囲いVS四間飛車
第1節 ▲エルモ囲いVS△4三銀型四間飛車
第2節 ▲エルモ囲いVS△3二銀型四間飛車
第2章 エルモ囲いVS三間飛車
第1節 ▲5六歩型エルモ囲い
第2節 ▲5六銀型エルモ囲い
第3章 エルモ囲いVS振り飛車穴熊
第1節 ▲エルモ囲いVS△四間穴熊
第2節 ▲エルモ囲いVS△三間穴熊
第4章 後手番エルモ囲い
第1節 ▲四間飛車VS△エルモ囲い
第2節 ▲三間飛車VS△エルモ囲い
第5章 エルモ囲い 実戦編

(追記ここまで)

elmo囲いにさらに手を加えると

なお、elmo囲いからはさらに玉を深く囲うこともできます。一例が2018年9月に行われた第8期加古川清流戦、▲井出隼平四段 対 △大橋貴洸四段戦(参考7図。仕掛けの時点では▲ノーマル四間飛車VS△elmo囲い斜め棒銀)です。

【参考7図は62手目△4四歩まで】
後手の持駒:角 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・v金v王v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・v銀v金 ・ ・|二
| ・ ・v桂v歩 ・ ・v桂v歩 ・|三
|v歩 ・ ・ ・v飛v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ 歩v銀 ・ ・ ・ ・|五
| 歩 角 歩 ・v歩 歩 歩 歩 歩|六
| ・ 歩 桂 銀 ・ 金 ・ 銀 ・|七
| ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 金 王 ・|八
| 香 ・ ・ 飛 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩二 
手数=62 △4四歩まで

左桂を跳ねて玉をトーチカ囲い(ミレニアム囲い)のように2一に移動し、右金を5一→4一→3二と移動します。

が、振り飛車側が銀冠にまで組み上がっており、相対的に玉が堅くなっているとも言い切れず、難しい選択です。攻めが難しく手詰まりになったときの非常手段的な意味合いもあります。

いずれにせよ、急戦オンリーの本書では取り上げられないでしょう。

表紙は対三間飛車

ところで、本書の表紙の局面をよく見ると、5三の地点に銀がいることがわかります。したがって、振り飛車側は三間飛車に違いありません。

見えていないところまで深掘りして推測すると、おそらく現在elmo囲い急戦対策として有力と考えられている△4三金型三間飛車(参考8図)ではないでしょうか。

【参考8図は△5三銀まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v王v銀 ・ ・ ・v飛 ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v銀v金v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ ・|七
| ・ 角 王 銀 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 金 ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=0 △5三銀まで

局面が隠れている以上正解はありませんが、本書の中で△5三銀+△4三金型三間飛車が解説されていれば、正解に等しいと判断して自己満足したいと思います。

三間飛車党も注目

2019年4月に発売になる、「対振り飛車の大革命 エルモ囲い急戦」。

居飛車目線の棋書ですが、三間飛車党にも参考になる手筋や情報が数多く載っているのではないでしょうか。要注目です。

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